我が国のホスピス(緩和ケア病棟)|第102回医師国家試験C1

第102回医師国家試験 C1(2008年)

正答:e

問題

我が国のホスピスで正しいのはどれか。

a.対象疾病は悪性腫瘍に限られる。

b.保険診療の対象とならない。

c.宗教的行事は禁止される。

d.筋弛緩薬を多用する。

e.終末期医療を行う。

正答の理由

ホスピスと緩和ケア病棟は、生命を脅かす病に伴う体と心のつらさを和らげる緩和ケアを行う場で、終末期の療養も担います。がん情報サービスは「緩和ケア病棟には、病院内にある場合と、緩和ケアのみを行う独立型の施設の場合(ホスピスや緩和ケア病院)がある」「ホスピスは最期まで希望通りに生きることを主な目標としています」と説明しています。公式正答はeです。

各選択肢の検討

a.対象疾病は悪性腫瘍に限られる。誤り。緩和ケアの対象はWHOの定義で「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族」とされ、WHOは緩和ケアを必要とする成人の内訳として心血管疾患38.5%、がん34%、慢性呼吸器疾患10.3%、AIDS 5.7%、糖尿病4.6%を挙げ、腎不全・肝疾患・認知症など多くの疾患でも必要になるとしています。悪性腫瘍に限られる概念ではありません。

b.保険診療の対象とならない。誤り。緩和ケア病棟入院料は厚生労働省が定めた施設基準を満たして届け出た医療機関で算定される保険診療で、医療費が高額になれば高額療養費制度も使えます。

c.宗教的行事は禁止される。誤り。ホスピスには宗教家やボランティアがチームの一員として参加している施設もあり、宗教的なケアや行事は禁止されていません。

d.筋弛緩薬を多用する。誤り。WHOの緩和ケアの定義は「死を早めようとしたり遅らせようとしたりするものではない」と明記しています。緩和ケアで用いるのは痛みや呼吸困難などの症状を和らげる薬であり、呼吸を止める作用のある筋弛緩薬を投与して死期を早めることは緩和ケアではありません。

e.終末期医療を行う。正しい。緩和ケア病棟・ホスピスは終末期を含めて苦痛を和らげ、最期まで希望どおりに過ごせるよう支える場です。

覚えるポイント

ホスピス=緩和ケア病棟は施設基準を満たした保険診療。緩和ケアの対象は「生命を脅かす病」で、がんと診断されたときから始める。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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