第102回医師国家試験 B34(2008年)
正答:d
問題
頭部単純MRI(別冊No. 2①〜⑤)を別に示す。
視索がみられるのはどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
視索は視交叉から後方へ出た視路で、中脳の大脳脚の外側を回り、視床の外側膝状体(および視床枕・中脳の上丘/前視蓋核)に終わります。したがって水平断で視索が写るのは、中脳の断面と鞍上槽が同時に見える高さです。5枚のうち中脳(左右の大脳脚)が中央に描出されているのは④だけで、①②は橋・小脳の高さ、③は鞍上部〜橋上部の高さ、⑤は側脳室・視床の高さです。公式正答はdです。
画像の見方
別冊PDFの物理2ページ右半(別冊2ページ)の5枚。①は両眼球・篩骨洞・錐体骨が大きく写り、後頭蓋窩に橋下部〜延髄と小脳が描出される最も低い断面。②は両眼球(水晶体を含む)と蝶形骨洞、側頭葉、前方の橋と後方に矢印状の低信号(第四脳室)、小脳が写る。③は前方に眼窩上壁・副鼻腔、中央に丸い脳幹(橋)の断面とその前方の低信号の脳槽、脳幹の後縁正中に小さな低信号(第四脳室)があり、後方に小脳半球が広く写る。中脳の大脳脚は現れていない。④は中央に左右の大脳脚を含む中脳の断面があり、その周囲を低信号の脳槽(脚間槽・迂回槽)が取り巻き、前方には両側側頭葉内側と鞍上槽、後方に四丘体槽と小脳上部が写る。⑤は側脳室前角・正中の第三脳室・視床が写り、中脳より上の高さである。視索は視交叉から後外側に走って中脳の大脳脚の外側を回るため、中脳断面が現れる④の高さで描出される。画像は白黒のコピー調で粒状性が強く、視索そのものの境界を1本ずつ追うことはできず、左右差の有無も判定できない。
各選択肢の検討
a.①。誤り。眼球・篩骨洞・錐体骨が大きく写り、後頭蓋窩に橋下部〜延髄と小脳がみえる最も低い断面で、中脳は含まれません。
b.②。誤り。眼球と蝶形骨洞、橋と第四脳室、小脳が写る高さで、視索が走る中脳の高さより下です。
c.③。誤り。丸い脳幹(橋)の断面とその前方の脳槽、後方の第四脳室と広い小脳半球が写る高さで、中脳の大脳脚はまだ現れていません。
d.④。正しい。中央に左右の大脳脚を含む中脳が写り、その周囲を脳槽が取り巻く高さで、視索は大脳脚の外側を後走するためこの断面で描出されます。
e.⑤。誤り。側脳室前角・第三脳室・視床が写る高さで、中脳より上であり視索はすでに外側膝状体に終わっています。
覚えるポイント
視索は視交叉から中脳の大脳脚の外側を回って外側膝状体に至るため、水平断では中脳と鞍上槽が同時に写る高さでみえる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- 14.2 Central Processing|Anatomy and Physiology 2e(OpenStax)
- Distinguishing and quantification of the human visual pathways using high spatial resolution diffusion tensor tractography(Magn Reson Imaging, 2014)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。