第102回医師国家試験 B21(2008年)
正答:d
問題
精神障害者のリハビリテーションで正しいのはどれか。
a.効果は一時的である。
b.就労支援は含まれない。
c.作業療法は入院中には行わない。
d.薬物療法と併用されることが多い。
e.デイケアは外来患者には行わない。
正答の理由
公式正答はdです。精神障害者のリハビリテーションは薬物療法をやめて行うものではなく、薬物療法で病状を安定させながら作業療法・デイケア・生活技能訓練・就労支援などを組み合わせるのが通常です。
各選択肢の検討
a.効果は一時的である。誤り。精神科リハビリテーションは症状の安定と社会生活機能の回復を長期に支えるもので、厚生労働省の検討会資料でも、デイケア利用者は非利用者より退院後に地域生活を続けられる割合が高いとする全国調査が示されています。
b.就労支援は含まれない。誤り。障害者総合支援法(出題当時は障害者自立支援法)は、精神障害者を含む障害者に対する就労移行支援・就労継続支援を障害福祉サービスとして定めています。
c.作業療法は入院中には行わない。誤り。精神科作業療法は治療上必要があれば病棟でも実施でき、さらに入院中の患者を対象とする入院生活技能訓練療法も別に設けられています。
d.薬物療法と併用されることが多い。正しい。薬物療法で症状を安定させたうえで、作業療法・デイケア・認知行動療法などの心理社会的治療を併せて行うのが標準的です。
e.デイケアは外来患者には行わない。誤り。精神科デイ・ケアは「入院中の患者以外の患者」に限って算定される外来の治療で、むしろ外来患者こそが対象です。
覚えるポイント
精神科リハビリテーションは薬物療法と併用。デイケアは外来患者が対象、作業療法・生活技能訓練は入院中にも行い、就労支援も含まれる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- 診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について(平成20年改定)第2章第8部精神科専門療法(I007・I008)
- 診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について(平成20年改定)第2章第8部精神科専門療法(I008-2・I009)
- 精神科デイ・ケア等について(第18回今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会 資料1)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
- 良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。