第102回医師国家試験 B16(2008年)
正答:b
問題
ある職場で飲酒習慣の有る集団について、健康診断の結果を基に10年間の追跡調査を行い生活習慣と肥満との関係を調べた。
この疫学研究はどれか。
a.横断研究
b.コホート研究
c.患者対照研究
d.介入研究
e.メタ分析〈メタアナリシス〉
正答の理由
一定の集団の曝露状況(ここでは健康診断で把握した生活習慣)を先に調べ、その後10年間追跡してアウトカム(肥満)の発生を確認し、曝露の多い群と少ない群で比べる設計はコホート研究です。公式正答はbです。
各選択肢の検討
a.横断研究。誤り。疾病の有無と曝露要因を同時点で調査する設計で、追跡を行いません。両者の時間的前後関係を評価できない点がコホート研究との違いです。
b.コホート研究。正しい。曝露状況を先に調べ、追跡調査でアウトカムの発生を確認して群間で比較します。曝露がアウトカムに先行することを正しく評価でき、相対危険度を算出できます。
c.患者対照研究。誤り。すでにアウトカムが生じた者(症例)と生じていない者(対照)を選び、過去の曝露をさかのぼって比較する設計で、追跡はしません。本問は追跡しているので該当しません。
d.介入研究。誤り。対象者を介入群と対照群に割り付け、投薬や健康教育などの介入を加えて比較する設計です。本問は日常の生活習慣を観察しただけで、介入を加えていません。
e.メタ分析〈メタアナリシス〉。誤り。既存の複数の研究結果を統計的に統合する手法で、自ら対象者を追跡する研究ではありません。
覚えるポイント
曝露を先に測り追跡してアウトカムをみるのがコホート研究。同時点なら横断、さかのぼれば患者対照、割り付ければ介入研究。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。