第102回医師国家試験 B5(2008年)
正答:d
問題
トリアージタッグ〈識別札〉について誤っているのはどれか。
a.規格は統一されている。
b.患者選別のために使用する。
c.死亡の場合は黒タッグになる。
d.タッグの種別の判断は医師に限られる。
e.多数の傷病者が同時発生したときに使う。
正答の理由
厚生労働省の「災害医療体制のあり方に関する検討会報告書」は、トリアージは原則として医師が行うべきものとしつつ、「大災害の発生現場において医師の到着を期待できない、あるいは到着を待てないような状況下において救命救急士、看護婦等がトリアージを行うこと」については違法性が阻却されると整理しています。判断者は医師に限られないので、誤っているのはdです。公式正答はdです。
各選択肢の検討
a.規格は統一されている。正しい。阪神・淡路大震災を受けた平成8年4月の検討会報告書でトリアージ・タッグの標準化が提言され、平成13年の同検討会報告書は「トリアージ・タッグの標準化は既に完了している」と記しています。
b.患者選別のために使用する。正しい。トリアージは多数の傷病者を緊急度・重症度に応じて分類し治療の優先順位を決める行為で、タッグはその分類結果を示す識別票です。
c.死亡の場合は黒タッグになる。正しい。災害時の区分は黒(0)、赤(Ⅰ)、黄(Ⅱ)、緑(Ⅲ)の4段階で、黒は死亡もしくは救命不可能を表します。
d.タッグの種別の判断は医師に限られる。誤り。原則は医師ですが、医師の到着を待てない状況では救急救命士や看護師も行うものと整理されており、判断者を医師に限る定めはありません。
e.多数の傷病者が同時発生したときに使う。正しい。限られた人的・物的医療資源を最大多数の傷病者に有効に配分するための行為で、多数傷病者が同時に発生する災害時に用います。
覚えるポイント
トリアージの原則実施者は医師だが医師に限定されない。タッグは標準化済みで、黒(0)は死亡・救命不可能。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- 災害医療体制のあり方に関する検討会 報告書(平成13年6月・厚生労働省)
- 平成22年度救急業務高度化推進検討会 報告書素案 重症度・緊急度の判定・選別(トリアージ)に関する作業部会関係部分(総務省消防庁)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。