急性中耳炎の起因菌|第102回医師国家試験A41

第102回医師国家試験 A41(2008年)

正答:a・c

問題

7歳の男児。発熱と耳痛とを主訴に来院した。昨日から左耳痛を訴えていたが、夕方から39.0℃の発熱を認め、耳痛が増悪したため救急外来を受診した。鼓膜の写真(別冊No. 9)を別に示す。

起因菌として考えられるのはどれか。2つ選べ。

a.インフルエンザ菌

b.髄膜炎菌

c.肺炎球菌

d.腸球菌

e.緑膿菌

別冊No. 9 鼓膜の写真。鼓膜はびまん性に強く発赤して全体が膨隆し、ツチ骨柄などの正常の指標が追えない。
別冊No. 9 / 出典:厚生労働省・第102回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

急性に発症した発熱と耳痛があり、鼓膜写真では鼓膜が強く発赤して膨隆し正常の指標が不明瞭です。これは急性中耳炎の典型的な鼓膜所見です。確認した資料では、乳児期以降の小児と成人の急性中耳炎で多い細菌として肺炎球菌、Moraxella catarrhalis、無莢膜型インフルエンザ菌、A群β溶血性レンサ球菌が挙げられており、選択肢のうちこれに該当するのはインフルエンザ菌と肺炎球菌です。公式正答はa・cです。

画像の見方

鼓膜の内視鏡写真。鼓膜はびまん性に強く発赤し、表面が全体に盛り上がって見える(膨隆)。ツチ骨柄や光錐といった正常の指標は追えない。中央から前下方に暗青灰色調の領域があり、中耳の貯留液を思わせる。表面に白色調の部分が散在するが、明らかな穿孔や耳漏は写真上では判別できない。

各選択肢の検討

a.インフルエンザ菌。正しい。小児・成人の急性中耳炎で頻度の高い起因菌です。肺炎球菌結合型ワクチンの普及後は、起因菌に占める割合が相対的に増えているとされます。

b.髄膜炎菌。誤り。確認した資料の急性中耳炎の起因菌一覧には挙げられていません。

c.肺炎球菌。正しい。急性中耳炎の代表的な起因菌です。結合型ワクチンの導入によりこの菌による中耳炎は減少しています。

d.腸球菌。誤り。新生児期を含めて急性中耳炎の主要な起因菌には挙げられていません。

e.緑膿菌。誤り。急性中耳炎の主要菌ではありません。緑膿菌が問題になるのは、糖尿病など免疫低下例の慢性化膿性中耳炎や、側頭骨骨髄炎を起こす悪性外耳道炎です。

覚えるポイント

急性中耳炎の二大起因菌は肺炎球菌とインフルエンザ菌。鼓膜は発赤・膨隆し正常の指標が不明瞭になる。緑膿菌は慢性の耳感染で問題になる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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