第102回医師国家試験 A2(2008年)
正答:a
問題
在胎41週、1,950gで出生した新生児に合併しやすいのはどれか。
a.低血糖症
b.無呼吸発作
c.動脈管開存症
d.呼吸窮迫症候群
e.一過性多呼吸症
正答の理由
公式正答はaです。在胎41週で1,950gは在胎週数相当体重の10パーセンタイル未満にあたり、子宮内発育が制限された正期産のSGA児です。正期産のSGA児は、同じ体重の早産児がもつ臓器の未熟性による合併症はもちません。危険があるのは周産期仮死・胎便吸引・低血糖・多血症・低体温・感染で、選択肢のなかでこれに当たるのは低血糖だけです。
各選択肢の検討
a.低血糖症。正しい。正期産のSGA児が注意すべき合併症として、周産期仮死・胎便吸引・多血症・低体温とともに低血糖が挙げられています。糖の蓄えが少ないためです。
b.無呼吸発作。誤り。呼吸調節の未熟性による早産児の問題で、正期産のSGA児では臓器系の未熟性による合併症は起こらないとされます。
c.動脈管開存症。誤り。動脈管は出生後10〜15時間で閉鎖し始めるのが通常で、シクロオキシゲナーゼ阻害薬による閉鎖が有効なのも早産児です。正期産児の問題ではありません。
d.呼吸窮迫症候群。誤り。肺サーファクタントの欠乏や不活化によるもので、未熟性の程度が強いほど危険が増します。41週では考えにくい病態です。
e.一過性多呼吸症。誤り。肺水の吸収遅延によるもので、早産児・選択的帝王切開での正期産児・出生時の呼吸抑制が中心の危険因子です。巨大児や母体糖尿病が挙がる一方、SGAであること自体は危険因子ではありません。
覚えるポイント
正期産のSGA児は未熟性の病気ではなく、仮死・胎便吸引・低血糖・多血症・低体温に注意する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Small-for-Gestational-Age (SGA) Infant
- Respiratory Distress Syndrome in Neonates
- Transient Tachypnea of the Newborn
- Patent Ductus Arteriosus (PDA)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。