糖尿病合併妊娠の管理|第102回医師国家試験A1

第102回医師国家試験 A1(2008年)

正答:a

問題

糖尿病合併妊娠について誤っているのはどれか。

a.妊娠初期は経口血糖降下薬で管理する。

b.妊娠初期の血糖コントロールが不良の場合は先天奇形の頻度が高い。

c.羊水過多症の合併頻度が増える。

d.分娩後はインスリン必要量が減少する。

e.新生児低血糖に注意する。

正答の理由

公式正答はaです。妊娠中の血糖管理はインスリンが伝統的な第一選択で、胎盤を通過せず血糖の予測が立てやすいことが理由です。妊娠初期から経口血糖降下薬で管理するという方針は取りません。残る4肢はいずれも糖尿病合併妊娠で実際に注意する事柄です。なお現在は、投与の簡便さからメトホルミンなどの経口薬が妊娠糖尿病で使われることが増え、妊娠糖尿病ではインスリンと同等の血糖管理が得られるという研究があります。ただし妊娠前からの2型糖尿病における経口薬のデータは乏しく、出題当時の判断は現在も変わりません。

各選択肢の検討

a.妊娠初期は経口血糖降下薬で管理する。誤りで、これが正答。インスリンは胎盤を通過せず血糖管理が予測しやすいため治療の第一選択であり、妊娠初期を経口薬で管理する方針は標準ではありません。

b.妊娠初期の血糖コントロールが不良の場合は先天奇形の頻度が高い。正しい。器官形成期(およそ妊娠10週ころまで)の血糖コントロール不良は、重大な先天奇形と自然流産の危険を高めます。

c.羊水過多症の合併頻度が増える。正しい。羊水過多の原因として母体糖尿病が挙げられています。

d.分娩後はインスリン必要量が減少する。正しい。胎盤が娩出されてインスリン拮抗ホルモンが急に減るため、産褥のインスリン必要量は最大50%ほど低下します。

e.新生児低血糖に注意する。正しい。母体糖尿病の児は呼吸窮迫・低血糖・低カルシウム血症・高ビリルビン血症・多血症などの危険があります。

覚えるポイント

妊娠中の血糖管理の柱はインスリン。器官形成期の高血糖は先天奇形、分娩後はインスリン必要量が急減し、児は低血糖に注意する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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