第120回医師国家試験 F59(2026年)
正答:a・d
問題
32歳の男性。左眼の充血と視力低下を主訴に来院した。3日前から左眼の充血と視力低下を自覚したため受診した。数年前から有痛性の口内炎も繰り返し出現している。視力は右眼1.2 (矯正不能)、左眼0.1 (矯正不能)。左眼の細隙灯顕微鏡写真(別冊No. 8)を別に示す。
診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。
a.針反応
b.聴力検査
c.胸部エックス線撮影
d.組織適合抗原〈HLA〉検査
e.血清アンジオテンシン変換酵素測定

正答の理由
反復する有痛性口内炎と、前房蓄膿を伴うぶどう膜炎を示唆する眼所見からベーチェット病を考えます。診断の参考となる皮膚の針反応とHLA検査を選ぶため、a・dが正答です。HLA-B51などは疾患との関連をみる検査であり、陽性だけで確定診断するものではありません。
画像の見方
充血と、前房の下方にたまる黄白色の貯留を認め、前房蓄膿と考えます。反復する口内炎と合わせてベーチェット病の眼炎症を疑います。前房蓄膿自体はこの疾患だけに特異的な所見ではありません。
各選択肢の検討
a.針反応:皮膚の被刺激性亢進を調べる、ベーチェット病の参考検査であり適切です。
b.聴力検査:難聴を伴うフォークト・小柳・原田病などの評価で有用ですが、本例で疑うベーチェット病の参考検査として優先する選択ではありません。
c.胸部エックス線撮影:サルコイドーシスなどを鑑別する検査ですが、本例の特徴から選ぶ2項目には該当しません。
d.組織適合抗原〈HLA〉検査:ベーチェット病ではHLA-B51やHLA-A26との関連があり、診断の参考になるため適切です。
e.血清アンジオテンシン変換酵素測定:主にサルコイドーシスを疑う際に参考とする検査です。
覚えるポイント
再発性の有痛性口腔内アフタと眼炎症を組み合わせます。ベーチェット病に特異的な単独の確定検査はなく、臨床症状と経過を中心に判断します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。