虐待による頭部外傷を疑うときは眼底も評価する|第120回医師国家試験F39

第120回医師国家試験 F39(2026年)

正答:b

問題

2 歳の女児。意識障害のため救急車で搬入された。なかなか泣きやまないことに激昂した父親によって、肩を掴まれ何度も強く揺さぶられた。しばらくするとぐったりして意識がなくなったという。意識レベルは JCSIII‐100 で、全身に多数の熱傷瘢痕が散在し、新旧の皮下出血を多数認める。

この意識障害の診断で重要な診察部位はどれか。

a.咽頭

b.眼底

c.鼓膜

d.舌

e.鼻腔

正答の理由

強い揺さぶりの後の意識障害に、新旧の皮下出血や熱傷瘢痕が伴い、虐待による頭部外傷を疑います。網膜出血などの眼所見が診断の重要な手掛かりになるため、bの眼底が正答です。全身状態を安定化し、頭部画像なども含めた評価と並行して眼科的診察につなげます。

各選択肢の検討

a.咽頭:必要な全身診察の一部にはなりますが、本問の頭部外傷を評価する重要な診察部位としては眼底を選びます。

b.眼底:網膜出血の有無や範囲などを確認し、頭部外傷の評価に役立つため正答です。

c.鼓膜:外傷所見がないか確認する場合はありますが、本問の特徴的な診察部位としては選びません。

d.舌:口腔内の外傷も評価しますが、本問の意識障害に関して優先して選ぶ部位ではありません。

e.鼻腔:外傷所見の確認は必要に応じて行いますが、本問の答えではありません。

覚えるポイント

眼底所見だけで虐待と断定せず、病歴、全身所見、頭部画像、血液検査などを総合します。網膜出血がないことだけで虐待による頭部外傷を否定することもできません。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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