第120回医師国家試験 D71(2026年)
正答:a・d
問題
36 歳の男性。日中の眠気を主訴に来院した。夜間のいびきを妻に指摘されている。 4 年前から熟睡感がなく、職場で頻繁に居眠りをするようになった。入眠後の頻回の覚醒による不眠がみられている。抑うつ気分や不安を認めない。高血圧症に対して、カルシウム拮抗薬を内服している。意識は清明。身長 174 cm、体重98 kg。体温 36.6 °C。脈拍 80/分、整。血圧 142/92 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96 %(room air)。咽喉頭に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。ポリソムノグラフィで無呼吸低呼吸指数 50 回/時間(基準 5 未満)、そのうち閉塞性無呼吸 45.8 回/時間、中枢性無呼吸 0.2 回/時間、低呼吸 4 回/時間であった。
適切な対応はどれか。 2 つ選べ。
a.体重の減量を指導
b.仰臥位での就寝の推奨
c.メチルフェニデートの処方
d.持続的気道陽圧法〈CPAP〉の導入
e.ベンゾジアゼピン系睡眠薬の処方
正答の理由
いびき、日中の眠気、熟睡感の欠如があり、AHI50回/時間で閉塞性無呼吸が大部分を占めるため、重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。BMIは約32.4で肥満を伴うため減量指導を行い、上気道を開存させるCPAPを導入します。
各選択肢の検討
a.体重の減量を指導:肥満による上気道狭窄を改善するため、正答です。減量が達成されるまでCPAPを待つという意味ではありません。
b.仰臥位での就寝の推奨:仰臥位では上気道が閉塞しやすくなる場合があり、推奨する対応ではありません。体位の影響がある例では側臥位などを検討します。
c.メチルフェニデートの処方:眠気の原因である睡眠中の気道閉塞を治療できず、未治療の重症OSAに優先する処方ではありません。
d.持続的気道陽圧法〈CPAP〉の導入:マスクを介した陽圧で上気道を開存させる標準的な治療で、正答です。
e.ベンゾジアゼピン系睡眠薬の処方:気道筋の弛緩や呼吸への影響が問題となり、今回の頻回覚醒に対して安易に処方する対応は適しません。
覚えるポイント
覚醒時のSpO2が正常でも睡眠中の閉塞性無呼吸を否定できません。夜間の頻回覚醒を一次性の不眠と決めつけず、無呼吸の治療を行います。CPAP開始後も症状と使用状況を評価します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。