言語の遅れ・強いこだわり・感覚過敏から自閉スペクトラム症を考える|第120回医師国家試験D43

第120回医師国家試験 D43(2026年)

正答:e

問題

2 歳の男児。有意語を認めないことを心配した両親に連れられて来院した。在胎40 週、体重 3,400 g で出生した。運動発達は月齢相当であったが、 9 か月健診で人見知りをしなかった。 1 歳 6 か月児健診で有意語がないことを指摘され、経過観察とされていた。一つの食品にこだわる極端な偏食があり、掃除機の音が苦手でパニックになる。いつも同じ動画を見たがるという。最も考えられるのはどれか。

a.学習障害

b.場面緘黙

c.Tourette 障害

d.注意欠如多動症

e.自閉スペクトラム症

正答の理由

2歳で有意語がなく、極端な偏食、同じ動画へのこだわり、音への強い過敏性を伴います。社会的コミュニケーションの発達と、限られた反復的な行動・興味や感覚特性を合わせると、選択肢ではeの自閉スペクトラム症が最も考えられます。人見知りをしないという所見だけで診断するものではありません。

各選択肢の検討

a.学習障害:読み・書き・計算などの特定の学習技能の困難が中心で、この年齢での言語発達とこだわりを説明する最適な選択肢ではありません。

b.場面緘黙:話せる能力があるのに特定の場面で話せない状態です。本例は場面を問わず有意語がない点が異なります。

c.Tourette障害:複数の運動チックと音声チックが特徴ですが、本例にはチックの記載がありません。

d.注意欠如多動症:不注意・多動性・衝動性が中心です。本例で目立つこだわりや感覚特性を含めた説明としては適切ではありません。

e.自閉スペクトラム症:コミュニケーションの発達の偏りと、強いこだわり・感覚過敏を合わせて考える正答です。

覚えるポイント

言葉の遅れがある場合は、聴力や認知・言語発達、対人交流を含めて評価します。一つの行動や簡易検査だけで確定せず、発達支援につなげます。養育の仕方を原因と決めつけず、本人の感覚特性や生活上の困りごとに合わせた支援を考えます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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