第120回医師国家試験 D34(2026年)
正答:e
問題
57 歳の女性。口腔内の白色病変を主訴に来院した。約 2 週間前から、のどの違和感を自覚していたがそのままにしていた。昨日、鏡で見ると口蓋垂の周辺が点状に白くなっていることに気付いた。ざらざらとする違和感はあるが咽頭痛や発熱はない。約 2 年前から気管支喘息のため気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している。身長 157 cm、体重 63 kg。尿所見と血液所見とに異常を認めない。白色病変を綿棒でこすると、剝離可能である。口腔内の写真(別冊No. 13)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
a.白斑症
b.扁平苔癬
c.単純ヘルペス
d.アフタ性口内炎
e.口腔カンジダ症

正答の理由
吸入ステロイド薬の使用は口腔カンジダ症の危険因子です。口蓋周囲や舌に白い付着物があり、綿棒でこすると剝離できることから、偽膜性の口腔カンジダ症を考えます。eが正答です。発熱や強い痛みがないことだけでは、局所の真菌感染を否定できません。
画像の見方
口蓋・口蓋垂周囲や舌の表面に白色の斑状・点状付着物を認めます。写真の白色という色調だけで決めず、剝離可能という診察所見と吸入ステロイド使用歴を合わせて判断します。
各選択肢の検討
a.白斑症:白い粘膜病変ですが、通常こすって容易に除去できる白苔とは異なります。
b.扁平苔癬:網状の白色線条などが特徴で、今回の剝離可能な付着物とは異なります。
c.単純ヘルペス:水疱や疼痛を伴うびらん・潰瘍などが中心で、本例の典型像ではありません。
d.アフタ性口内炎:疼痛のある限局した浅い潰瘍が典型で、今回の広がる白色付着物とは異なります。
e.口腔カンジダ症:吸入ステロイド使用と剝離可能な白苔が合致し、正答です。
覚えるポイント
吸入後のうがい・口すすぎや吸入手技の確認は、局所副作用の予防に役立ちます。発症時は抗真菌薬などの適切な治療を検討します。喘息治療薬を自己判断で中止するのではなく、処方医と対応を相談します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。