子宮頸部の高度な上皮内病変には円錐切除術を行う|第120回医師国家試験D30

第120回医師国家試験 D30(2026年)

正答:c

問題

32 歳の女性( 0 妊 0 産)。自宅近くの診療所で子宮頸がん検診を受けたところ、細胞診の異常を指摘されたため受診した。自覚症状はない。コルポスコピーで子宮頸部に異常所見があったため、狙い組織診を実施した。子宮頸部組織の H‐E 染色標本(別冊No. 9)を別に示す。後日実施した骨盤部造影 MRI 及び胸腹部造影 CT では異常を認めなかった。適切な治療はどれか。

a.放射線治療

b.広汎子宮全摘出術

c.子宮頸部円錐切除術

d.殺細胞性薬による治療

e.分子標的薬による治療

第120回D30 子宮頸部H-E染色標本。上皮内の核異型と成熟の乱れを認める
別冊No. 9 / 出典:厚生労働省・第120回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

組織像では核の腫大や配列の乱れを伴う異型細胞が上皮の広い範囲に及び、高度の子宮頸部上皮内病変(CIN3相当)を考えます。本問では子宮頸部円錐切除術を行い、病変を切除するとともに浸潤の有無や切除断端を詳しく評価するため、cが正答です。MRIやCTが正常でも、顕微鏡的な浸潤まで否定できるわけではありません。

画像の見方

重層扁平上皮で核の腫大・濃染と成熟の乱れが目立ちます。提示範囲に明らかな間質浸潤はみえませんが、狙い組織診の1視野だけで病変全体の浸潤を否定せず、円錐切除標本で評価します。

各選択肢の検討

a.放射線治療:この上皮内病変に対して最初に選ぶ治療ではありません。

b.広汎子宮全摘出術:より進行した浸潤癌などで検討する術式で、今回の第一選択ではありません。

c.子宮頸部円錐切除術:診断と治療を兼ねて病変を切除し、正答です。

d.殺細胞性薬による治療:本問の上皮内病変に対する初期治療としては選びません。

e.分子標的薬による治療:同様に、本問の病変に対して選ぶ治療ではありません。

覚えるポイント

上皮内病変・微小浸潤の評価は病理が中心です。円錐切除後の方針は病理診断、断端、浸潤や脈管侵襲の有無などで決めます。妊娠希望の有無も確認し、治療後も適切な経過観察を続けます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第120回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました