第120回医師国家試験 D24(2026年)
正答:b
問題
50歳の女性。顔面の皮疹を主訴に来院した。3日前から38 ℃台の発熱、悪寒を認め、顔面に熱感を伴う皮疹が出現し、急速に両側に拡大した。右耳後部リンパ節の腫大を認めた。血液所見:赤血球458万、Hb 12.5 g/dL、白血球12,100、血小板34万。CRP 7.8 mg/dL。右顔面の皮疹の写真(別冊No. 6)を別に示す。最も考えられる診断はどれか。
a.せつ
b.丹毒
c.ひょう疽
d.ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
e.蜂窩織炎

正答の理由
発熱・悪寒とともに急速に拡大する顔面の紅斑、熱感、所属リンパ節腫大、炎症反応上昇から皮膚の細菌感染症を考えます。写真の光沢を伴う腫脹性の紅斑と比較的明瞭な境界は丹毒に合い、bが正答です。丹毒は主として真皮浅層・表在リンパ管を侵す感染症で、溶血性レンサ球菌が代表的な原因です。
画像の見方
頬部から側頭部にかけて発赤と腫脹があり、皮膚に光沢を認めます。正常皮膚との境界が比較的明瞭な点に注目します。写真だけで原因菌を確定することはできませんが、急性の発熱と合わせて丹毒を考える所見です。
各選択肢の検討
a.せつ:毛包を中心とした限局性の化膿性病変で、今回の広がりのある紅斑とは異なります。
b.丹毒:境界が比較的明瞭な腫脹性紅斑と発熱・悪寒をきたし、正答です。
c.ひょう疽:指趾の化膿性炎症であり、顔面の病変を説明しません。
d.ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群:毒素による表皮剝離、水疱やびらんなどが特徴で、今回の典型像ではありません。
e.蜂窩織炎:真皮深層から皮下組織の感染症で、一般に丹毒より境界が不明瞭です。両者の臨床的な境界が明確でない例もありますが、本問は丹毒を選びます。
覚えるポイント
丹毒と蜂窩織炎は深さと皮疹の境界が鑑別の手掛かりです。顔面の感染では眼周囲症状や全身状態も評価します。急速な進行や全身症状を伴うため、適切な抗菌薬治療につなげます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。