第120回医師国家試験 C68(2026年)
正答:b
問題
生後 1 時間の女児。早産児として出生し、手術室で蘇生された。
現病歴 : 母親は 37 歳、初産であり定期的な妊婦健康診査を受診しており、前置胎盤を認めていた。在胎 36 週 1 日に性器出血のため救急車で搬入され、緊急帝王切開にて出生した。Apgar スコア 6 点( 1 分)、 9 点( 5 分)であった。新生児蘇生術が行われ、NICU に入院した。
家族歴 : 特記すべきことはない。
現症 : 身長 46 cm、 体重 2,400 g。 体温 36.8 °C。 心拍数 160/分、 整。 血圧66/36 mmHg。呼吸数 70/分。SpO2 91 % (room air)。大泉門は 2 cm × 2 cm で開大している。軽度のチアノーゼを手と足に認めるが、口唇には認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。
検査所見 : 血液所見:赤血球 570 万、Hb 17.9 g/dL、Ht 50 %、白血球 12,300、血小板 25 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、総ビリルビン 2.0 mg/dL、AST 28 U/L、 ALT 16 U/L、 血糖 88 mg/dL、 Na 133 mEq/L、 K 4.4 mEq/L、 Cl 97 mEq/L。 CRP 0.2 mg/dL。 静脈血ガス分析:pH 7.25、 PCO2 68 Torr、HCO3‐ 20 mEq/L。呼吸障害に対し、鑑別診断を行うこととした。
別に示す物品の写真(別冊No.5①〜⑤)のうち、検体採取に用いるのはどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤


正答の理由
早産児の呼吸障害では、肺サーファクタント不足による呼吸窮迫症候群などを鑑別します。胃液を用いるマイクロバブルテストなどの検体採取には、胃まで挿入する経管栄養チューブを用いるため、②に対応するbが正答です。
画像の見方
原本は各物品の番号と名称を併記しています。②は細い経管栄養チューブで、胃内容を吸引して検体を得る用途があります。①の気管チューブや③の胸腔ドレナージチューブとは挿入部位と目的が異なります。
各選択肢の検討
a.①気管チューブ:気道確保や換気に用い、本問の胃液採取用ではありません。
b.②経管栄養チューブ:胃内へ挿入して胃液を採取でき、正答です。
c.③胸腔ドレナージチューブ:気胸などで胸腔内の空気や液体を排出するために用います。
d.④尿道カテーテル:尿の排出や採取に用いますが、今回の呼吸障害の鑑別で意図された検体採取ではありません。
e.⑤臍動脈カテーテル:動脈圧監視や血液ガス測定などに用います。血液採取ができることと、本問の胃液採取の目的を区別します。
覚えるポイント
検査の目的から必要な検体と採取経路を考えます。胃液検査だけで呼吸障害を確定せず、経過、胸部画像、酸素化や換気状態と合わせて判断します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。