第120回医師国家試験 C58(2026年)
正答:d・e
問題
58 歳の男性。残便感を主訴に来院した。 6 か月前から残便感を自覚し、持続するため受診した。便は兎糞状であり、排便回数は 3 日に 1 回程度である。毎回強くいきんで排便しているが、排便後も残便感が持続する。既往歴に特記すべきことはない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。直腸指診で異常を認めない。下部消化管内視鏡検査で異常を認めない。適切な対応はどれか。 2 つ選べ。
a.安静指示
b.抗菌薬投与
c.定期的な浣腸
d.浸透圧性下剤投与
e.食物繊維摂取の推奨
正答の理由
硬い兎糞状便、排便回数の減少、強いいきみ、残便感があり、診察や内視鏡で明らかな器質的異常を認めない慢性便秘の症例です。便を軟らかくする浸透圧性下剤と、食生活を整える食物繊維摂取が適切で、dとeを選びます。
各選択肢の検討
a.安静:便秘の改善に向けた指導ではなく、可能な範囲で身体活動を保ちます。
b.抗菌薬:感染症を示す記載がなく、便秘への標準的な治療ではありません。
c.定期的な浣腸:便塊貯留時などに使うことはありますが、本例の継続的な基本治療として選びません。
d.浸透圧性下剤:腸管内の水分を増やして硬便を改善する治療で、正答です。
e.食物繊維摂取:食事内容に応じて適切な摂取を勧める生活指導で、正答です。
覚えるポイント
食物繊維は急に大量に増やすと膨満感を強めることもあり、症状を見ながら調整します。下剤を選ぶ際は腎機能や併用薬にも注意し、改善しなければ排便障害の追加評価を検討します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。