第120回医師国家試験 B34(2026年)
正答:d
問題
84 歳の女性。 2 日前から発熱し、意識障害のため救急車で搬入された。来院時の意識レベルは JCSII‐10。体温 38.9 °C。心拍数 128/分、整。血圧 74/40 mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 96 %(マスク 6 L/分酸素投与下)。初期輸液とノルアドレナリンの投与を開始し、血液培養 2 セットを含む各種微生物検査を実施したのちに、広域スペクトル抗菌薬を投与して入院した。入院 3 日後、検査結果を確認した抗菌薬適正使用支援チーム[Antimicrobial Stewardship Team 〈AST〉]の薬剤師から担当医に連絡が入り、抗菌薬の変更を提案された。AST の薬剤師に対する回答で適切なのはどれか。
a.「無断で検査結果を確認するのはご遠慮ください」
b.「AST で抗菌薬の処方を変更しておいてください」
c.「医師への提案は AST の医師からにしてください」
d.「これから診療チームで抗菌薬の変更を検討します」
e.「提案は明日の診療科カンファレンスの場でお願いします」
正答の理由
抗菌薬適正使用支援チーム(AST)は、培養結果や臨床経過などを確認して治療の最適化を支援します。薬剤師からの提案を受け止め、担当する診療チームで速やかに変更の妥当性を検討するdが適切です。検査結果が提示されていないため、この設問だけで特定薬への変更や狭域化を確定することはできません。
各選択肢の検討
a.検査結果を見ないよう求める:検査結果の評価はASTの支援に必要な活動であり、適切ではありません。
b.ASTに変更を丸投げ:提案を踏まえた臨床判断と処方は、診療チームが責任を持って検討します。
c.医師からの提案に限定:薬剤師を含む多職種の専門性を生かすASTの活動を妨げる対応です。
d.診療チームで検討:提案と患者の状態を合わせて治療を再評価する適切な対応で、正答です。
e.翌日の会議まで待つ:変更が必要かを今評価せず、定例会議まで一律に先送りするのは適切ではありません。
覚えるポイント
初期の経験的治療は、原因菌・感受性、感染部位、臓器機能、治療反応などが分かった段階で見直します。狭域化、用量・投与法、期間などを多職種で検討します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。