ALSの人工呼吸器導入を本人・家族・医療者で話し合う|第120回医師国家試験B33

第120回医師国家試験 B33(2026年)

正答:e

問題

72 歳の男性。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で療養中である。会話による意思疎通は可能である。呼吸機能が悪化し人工呼吸器の装着が必要な状況であるが、本人は家族に迷惑をかけることを危惧して装着を希望していない。妻は人工呼吸器を装着して欲しいと考えているが、子どもたちは熟慮の末、装着しなくてよいと考えている。今後の対応で最も適切なのはどれか。

a.妻の意向を尊重する。

b.患者の意向を尊重する。

c.医療者の意向を尊重する。

d.子どもたちの意向を尊重する。

e.患者、妻、子どもたち、医療者で話し合いを行う。

正答の理由

患者は意思疎通が可能ですが、家族への負担を理由に人工呼吸器を希望せず、家族間でも意見が異なっています。本人の意思決定を基本に、呼吸管理の選択肢、生活、支援体制、本人と家族の心配を共有して話し合うeが最も適切です。話し合いは本人を説得して装着させるためでも、多数決で決めるためでもありません。

各選択肢の検討

a.妻の意向だけを尊重:家族の思いは大切ですが、意思決定できる本人の意向に代えて妻だけで決めません。

b.患者の意向を尊重:重要な原則です。ただし、負担への懸念や家族の不一致を含め、十分な情報と支援に基づく話し合いを行うeが今回の次の対応として最適です。

c.医療者の意向だけを尊重:医学的情報を提供して支援しますが、医療者の価値観で方針を決めません。

d.子どもの意向だけを尊重:子どもの熟慮も尊重しつつ、本人と妻を含めて共有します。

e.関係者で話し合う:本人を中心に情報と意向を共有し、意思決定を支える対応で、正答です。

覚えるポイント

介護負担への懸念があるときは、利用できる支援も具体的に説明します。意思は変わり得るため継続して確認し、話し合った内容を記録・共有します。最終的にも本人の意思を基本とします。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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