第120回医師国家試験 A69(2026年)
正答:a・b
問題
68 歳の女性( 0 妊 0 産)。不正性器出血を主訴に来院した。内診で子宮はやや腫大し付属器は触知しない。経腟超音波検査で子宮内膜 16 mm と肥厚を認めたため子宮内膜組織診を行った。子宮内膜組織の H‐E 染色標本(別冊No. 31)を別に示す。治療方針決定のために必要な検査はどれか。 2 つ選べ。
a.胸腹部造影 CT
b.骨盤部造影 MRI
c.コルポスコピー
d.子宮卵管造影検査
e.子宮頸部狙い組織診別冊No. 31


正答の理由
閉経後の不正性器出血、子宮内膜肥厚、組織像から子宮内膜癌を考えます。治療方針には病変の広がりの評価が必要です。胸腹部造影CTでリンパ節・遠隔病変を調べ、骨盤部造影MRIで子宮筋層浸潤や頸部への進展などを評価するため、aとbを選びます。
画像の見方
密に増殖する不整な腺管と、核の腫大・重層化などの異型がみられ、子宮内膜の腺癌を考える所見です。生検写真の一部だけで最終的な組織学的グレードや筋層浸潤・病期を確定することはできません。
各選択肢の検討
a.胸腹部造影CT:リンパ節腫大や肺・肝臓などの遠隔病変の評価に用います。正答です。
b.骨盤部造影MRI:筋層浸潤、頸部進展、骨盤内の広がりを評価します。正答です。
c.コルポスコピー:主に子宮頸部の上皮病変を拡大観察する検査で、体癌の全身・局所進展評価の代わりにはなりません。
d.子宮卵管造影検査:主に卵管疎通性や子宮腔形態の検査です。今回の癌の病期評価には選びません。
e.子宮頸部狙い組織診:頸部病変が疑われる場合などに行いますが、提示された体癌の広がりを評価する2検査としてはCTとMRIを優先します。
覚えるポイント
子宮内膜癌の組織診断と進展度評価は別の工程です。画像上の推定病期と、手術・病理による最終評価を区別します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。