第120回医師国家試験 A63(2026年)
正答:a
問題
8 歳の女児。両手指の瘙痒と疼痛を主訴に母親に連れられて来院した。冬になり外で遊ぶ機会が増えた 1 か月前から、手指全体が紅色に腫脹して瘙痒と疼痛を感じるようになった。暖かい室内に入ると症状はやや軽減するが、完全には消失しない。指先が蒼白になったり、紫色になったりするエピソードはない。両手指の遠位指節間関節から近位指節間関節背側にかけて、境界不明瞭な浮腫性紅斑を認める。圧痛はない。爪周囲の紅斑や毛細血管拡張は認めない。赤沈 10 mm/ 1 時間。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、抗核抗体陰性。診断はどれか。
a.凍瘡
b.蕁麻疹
c.多形滲出性紅斑
d.Raynaud 症候群
e.全身性エリテマトーデス
正答の理由
冬季に手指が赤く腫れ、瘙痒と疼痛が続く経過から凍瘡、いわゆるしもやけを考えます。Raynaud現象のような発作性の蒼白や紫色への色調変化がなく、炎症反応や抗核抗体なども合わせて、選択肢では凍瘡が最も合います。
各選択肢の検討
a:正しい。寒冷期の末梢の浮腫性紅斑と瘙痒・疼痛が合います。
b:蕁麻疹では一つ一つの膨疹が比較的短時間で移り変わるのが一般的で、持続する手指の腫脹とは異なります。
c:多形滲出性紅斑の標的状病変などは示されていません。
d:発作性の蒼白・チアノーゼなどの色調変化を認めず、Raynaud症候群より凍瘡を考えます。
e:膠原病に伴う凍瘡様病変との鑑別は必要ですが、本問ではSLEを支持する全身所見や検査所見が乏しいです。
覚えるポイント
寒い季節の手指の赤い腫れとかゆみは凍瘡。難治例や季節に合わない病変では背景疾患も調べます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。