第120回医師国家試験 A57(2026年)
正答:b
問題
45 歳の女性。 6 か月前からの下腹部痛と頻尿を主訴に来院した。下腹部痛は尿が膀胱に溜まってくると悪化し、排尿後には疼痛の改善がみられる。排尿回数は、20〜25 回/日であった。尿細胞診は陰性。膀胱鏡像(別冊No. 25)を別に示す。適切な治療はどれか。
a.膀胱拡大術
b.膀胱水圧拡張術
c.膀胱部分切除術
d.BCG 膀胱内注入療法
e.殺細胞性薬膀胱内注入療法別冊No. 25

正答の理由
膀胱に尿がたまると悪化して排尿後に軽くなる痛みと、1日20〜25回の頻尿から間質性膀胱炎を考えます。膀胱鏡の発赤病変も合致し、選択肢では麻酔下の膀胱水圧拡張術が適切です。症状だけで診断せず、感染症や腫瘍などを除外し、病型に応じた治療を組み合わせます。
画像の見方
膀胱粘膜に局所的な発赤があり、その周囲に血管が集まる像を認め、ハンナ病変を示唆します。尿細胞診が陰性でも腫瘍を完全に否定できるわけではなく、必要に応じて生検などで鑑別します。ハンナ病変には経尿道的な凝固・切除も検討されます。
各選択肢の検討
a.膀胱拡大術:難治例で検討することがある大きな手術です。今回の選択肢の中でまず選ぶ治療ではありません。
b.膀胱水圧拡張術:間質性膀胱炎に対して行う治療の一つです。麻酔下で行い、圧・時間や合併症に注意します。
c.膀胱部分切除術:今回の病態に対する通常の初期治療ではありません。
d.BCG膀胱内注入療法:主に筋層非浸潤性膀胱癌などに対する治療です。今回の間質性膀胱炎への選択ではありません。
e.殺細胞性薬膀胱内注入療法:主に膀胱腫瘍に対して用いるもので、今回の疼痛・頻尿への適切な治療ではありません。
覚えるポイント
頻尿に加え、膀胱充満で悪化し排尿で軽くなる痛みが重要です。水圧拡張術だけが唯一の治療ではなく、病型、病変、症状と治療反応に応じて対応します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。