第120回医師国家試験 A38(2026年)
正答:a
問題
57 歳の男性。突然生じた激しい頭痛を主訴に救急車で搬入された。数日前から軽度の頭痛と複視、軽度の左眼瞼下垂を認めていた。既往歴に特記すべきことはない。頭部単純 CT(別冊No. 13)を別に示す。破裂脳動脈瘤の部位として最も可能性が高いのはどれか。
a.内頸動脈
b.前大脳動脈
c.中大脳動脈
d.後大脳動脈
e.椎骨動脈別冊No. 13

正答の理由
突然の激しい頭痛と単純CTの所見から、くも膜下出血を考えます。その前から左の眼瞼下垂と複視があり、左動眼神経の障害を疑います。動眼神経は内頸動脈と後交通動脈の分岐部近くを走るため、この部位の動脈瘤が圧迫などで症状を起こし得ます。選択肢では内頸動脈が最も適切です。部位の確定にはCT血管撮影や脳血管撮影が必要です。
画像の見方
脳底槽からSylvius裂に沿う高吸収域があり、左側(画像右側)に目立ちます。くも膜下腔の出血として矛盾しません。ただし単純CTの血腫分布だけで破裂動脈瘤の母血管を確定することはできず、先行した左の眼症状が重要な手掛かりです。
各選択肢の検討
a.内頸動脈:内頸動脈―後交通動脈分岐部動脈瘤と動眼神経麻痺の関連を考えます。今回の正答です。
b.前大脳動脈:その領域の動脈瘤もくも膜下出血の原因になりますが、先行する片側の眼瞼下垂・複視との典型的な位置関係は内頸動脈―後交通動脈分岐部です。
c.中大脳動脈:Sylvius裂の血腫が目立つ場合の候補ですが、本例では出血前の動眼神経症状を合わせて内頸動脈を優先します。
d.後大脳動脈:動眼神経の走行と近接する部位はありますが、今回の組合せで最も考えやすいのは内頸動脈―後交通動脈分岐部です。
e.椎骨動脈:後頭蓋窩のくも膜下出血などの原因になり得ますが、本例の先行症状を説明する第一候補ではありません。
覚えるポイント
痛みを伴う急性の眼瞼下垂・複視では、動脈瘤に伴う動眼神経障害を見逃さないこと。今回、瞳孔所見は提示されておらず、散瞳があったとは書けません。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。