第120回医師国家試験 A29(2026年)
正答:b
問題
72 歳の男性。喉頭癌に対し放射線治療を受けたが、その後、局所再発を認めた(別冊No. 8)ため喉頭全摘術を受けた。術後の頸部の写真を別に示す。手術によって影響を受けないのはどれか。
a.声を出す。
b.舌を出す。
c.臭いをかぐ。
d.麵をすする。
e.息をこらえる。別冊No. 8

正答の理由
喉頭全摘では声帯を含む喉頭が失われ、呼吸は頸部の永久気管孔から行います。通常の発声や鼻へ空気を通す機能、声門閉鎖を用いる動作は影響を受けます。一方、舌の運動は喉頭そのものの機能ではなく、本問では「舌を出す」を選びます。
画像の見方
頸部前面に永久気管孔がみられます。この開口部から呼吸する構造になっている点を、術式と結び付けて理解します。
各選択肢の検討
a:声帯による通常の発声は失われます。ただし、代用音声などで発声を再獲得する方法があります。
b:正しい。喉頭全摘だけで舌の突出運動が失われるわけではありません。
c:呼吸気流が鼻を通らなくなるため、通常の嗅ぎ方は影響を受けます。嗅覚神経が切断されるという意味ではありません。
d:口や鼻を通る呼吸気流が変わり、通常の麺をすする動作は影響を受けます。
e:声門を閉じて息をこらえる仕組みが失われるため、影響を受けます。
覚えるポイント
喉頭全摘後は気道と口・鼻の空気の通り道が分かれる。舌運動と喉頭機能を区別します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。