第120回医師国家試験 A23(2026年)
正答:e
問題
4 歳の女児。口唇、口腔内の色素斑を主訴に母親に連れられて来院した。 3 歳ごろから口唇、口腔内に黒い色素斑が出現し、徐々に増加してきたため母が不安になり受診した。兄弟姉妹はいない。母と母方の祖父に複数のポリープを大腸に認め、治療歴がある。成長や発達に異常は認めない。口唇、口腔内に径 1 〜 5 mm の黒い色素斑を認める。患児の下部消化管内視鏡検査の下行結腸像(別冊No. 5)を別に示す。この疾患の消化器病変で正しいのはどれか。
a.腺腫である。
b.悪性化しない。
c.自然脱落する。
d.大腸に限局する。
e.通過障害の原因となる。別冊No. 5

正答の理由
口唇・口腔内の色素斑、家族の消化管ポリープの既往、本人のポリープからPeutz–Jeghers症候群を考えます。過誤腫性ポリープが消化管に多発し、大きなポリープが腸重積の先進部になるなど、通過障害を起こすことがあります。
画像の見方
下行結腸の内視鏡像には管腔内へ突出するポリープがみられます。過誤腫性という組織学的性質を、この写真だけで確定するのではなく、色素斑・家族歴などと合わせて疾患を考えます。
各選択肢の検討
a:典型的なポリープは過誤腫性であり、腺腫性ポリポーシスとは区別します。
b:悪性腫瘍の発症リスクが高い症候群で、悪性化しないと断定することはできません。
c:自然脱落を特徴として経過観察する病変ではありません。
d:病変は大腸だけに限局せず、小腸などにも生じます。
e:正しい。ポリープが腸重積などを通じて通過障害の原因になります。
覚えるポイント
色素斑と消化管ポリポーシスの組み合わせではPeutz–Jeghers症候群。小腸病変、腸重積、悪性腫瘍リスクも押さえます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。