半月板の嵌頓による膝ロッキングは関節鏡下手術|第119回医師国家試験D41

第119回医師国家試験 D41(2025年)

正答:c

問題

26歳の男性。右膝関節の可動域制限を主訴に来院した。3か月前にハンドボールの練習中に右膝を捻って痛みを感じたが、医療機関の受診はしなかった。約1週間で疼痛はなくなった。2か月前から身体の向きを変える時や、しゃがんだ状態から立ち上がる時などに右膝がガクッとして曲がったまま伸ばせないことが頻発するようになった。身長168 cm、体重62 kg。入室時の歩容は右膝軽度屈曲位で、跛行を認める。右膝関節に腫脹を認める。発赤と熱感はない。右膝関節外側に圧痛を認める。右膝関節可動域:伸展 ‐30 °、屈曲130 ° (健側は伸展0 °、屈曲140 °)。前方引き出しテスト陽性。右膝MRIの脂肪抑制T2* 強調冠状断像(別冊No. 16A)と脂肪抑制プロトン密度強調矢状断像(別冊No. 16B)とを別に示す。

適切な治療はどれか。

a.ギプス固定

b.NSAID内服

c.関節鏡下手術

d.理学療法士による伸展訓練

e.ヒアルロン酸ナトリウム製剤の関節内投与

関節中央へ転位した低信号の半月板片。
別冊No.16A:膝MRI脂肪抑制T2*強調冠状断像 / 出典:厚生労働省・第119回D別冊(原本の該当ページ)
前十字靱帯の連続性が不明瞭。
別冊No.16B:膝MRI脂肪抑制プロトン密度強調矢状断像 / 出典:厚生労働省・第119回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

捻転外傷後に膝が曲がったまま伸ばせなくなるロッキングを反復しています。MRIでも関節内へ転位した半月板片を考える所見があり、機械的な伸展障害に対してcの関節鏡下手術が適切です。前方引き出しテスト陽性とMRIから、前十字靱帯損傷の合併も評価します。

画像の見方

冠状断で関節中央に転位した低信号構造があり、半月板の転位・嵌頓を考えます。矢状断では前十字靱帯の正常な連続性が不明瞭で、臨床所見と合わせて合併損傷を評価します。

各選択肢の検討

a.ギプス固定:関節内に嵌頓した半月板片による機械的障害を解消する治療ではありません。

b.NSAID内服:痛みを軽減しても、ロッキングの原因となる半月板片は整復できません。

c.関節鏡下手術:正しい。転位した半月板を確認し、整復・縫合などの適切な処置を行います。

d.伸展訓練:機械的にロックしている膝を無理に伸ばす訓練を先行しません。

e.ヒアルロン酸関節内投与:変性疾患などで用いますが、外傷性ロッキングの原因治療にはなりません。

覚えるポイント

半月板はできる限り温存し、断裂型や血行、合併靱帯損傷を踏まえて術式を選びます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第119回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました