増大しない石灰化を伴う肺結節は肺過誤腫を考える|第119回医師国家試験D16

第119回医師国家試験 D16(2025年)

正答:a

問題

72歳の女性。健康診断で胸部異常陰影を指摘され来院した。2年前から、毎年の健康診断でも胸部エックス線写真で同様の類円形の結節を認めていたが増大傾向はない。自覚症状はない。胸部エックス線写真(別冊No. 4A)と胸部造影CT (別冊No. 4B、4C)を別に示す。

最も考えられる疾患はどれか。

a.肺過誤腫

b.肺分画症

c.原発性肺癌

d.肺動静脈瘻

e.転移性肺腫瘍

左下肺野の円形結節。
別冊No.4A:胸部エックス線写真 / 出典:厚生労働省・第119回D別冊(原本の該当ページ)
左下葉の境界明瞭な円形結節。
別冊No.4B:胸部CT肺野条件 / 出典:厚生労働省・第119回D別冊(原本の該当ページ)
左下葉の結節内部に粗大な石灰化を認めるCT縦隔条件像。
別冊No.4C:胸部CT縦隔条件 / 出典:厚生労働省・第119回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

左下葉に境界明瞭な類円形結節があり、CTで内部に粗大な石灰化を認めます。2年間増大していない経過も合わせ、選択肢ではaの肺過誤腫が最も考えられます。肺過誤腫では脂肪成分やポップコーン状石灰化が診断の手がかりになります。

画像の見方

胸部写真で左下肺野に類円形の結節があり、CTでは左下葉に境界明瞭な結節と内部の粗大な石灰化を認めます。血管だけから成る構造とは異なり、2年間増大がないことも合わせ肺過誤腫を支持します。

各選択肢の検討

a.肺過誤腫:正しい。境界明瞭な結節で、脂肪や軟骨由来の石灰化を含みます。

b.肺分画症:正常な気管支との交通を欠く肺組織に体循環から異常動脈が流入する病態で、今回の小結節の説明として適しません。

c.原発性肺癌:悪性結節も鑑別しますが、本例の内部性状と長期不変の経過は過誤腫を支持します。

d.肺動静脈瘻:流入動脈と流出静脈を伴う血管性病変です。今回の石灰化を含む結節とは異なります。

e.転移性肺腫瘍:多発性や増大などを評価します。本例は過誤腫に特徴的な性状を示します。

覚えるポイント

石灰化の存在だけで良性とは断定せず、石灰化の形・脂肪成分・経時的変化を合わせて判断します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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