若年者の膝近傍の悪性骨腫瘍を疑い生検を計画する|第119回医師国家試験A60

第119回医師国家試験 A60(2025年)

正答:a

問題

13歳の女子。右膝周囲の痛みを主訴に来院した。3か月前から右膝周囲の痛みが出現し、痛みが増強したため受診した。外傷の既往はない。

身長152 cm、体重42 kg。BMI 18.1。体温36.5 °C。右大腿遠位に軽度の腫脹と圧痛を認める。

赤沈12 mm/1時間。血液所見:Hb 12.8 g/dL、白血球8,200、血小板26万。CRP 0.3 mg/dL。右大腿遠位のエックス線写真(別冊No.25)を別に示す。

適切な対応はどれか。

a.生検

b.切開排膿術

c.アスピリン投与

d.観血的整復固定術

e.ギプスシーネ固定

大腿骨遠位に骨形成性変化と骨膜反応を認める正面・側面像。
別冊No.25:右大腿遠位エックス線写真 / 出典:厚生労働省・第119回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

思春期の患者に進行する膝周囲痛と大腿遠位の腫脹があり、エックス線で骨形成性変化と骨膜反応を伴う病変を認めるため、骨肉腫などの悪性骨腫瘍を疑います。aの生検で病理診断を得ることが適切です。生検経路は後の根治手術に影響するため、骨軟部腫瘍の専門施設で画像評価とともに計画します。

画像の見方

大腿骨遠位の骨幹端から骨幹部にかけて不均一な骨硬化・骨形成性変化があり、皮質周囲の骨膜反応を伴います。進行する疼痛と合わせて悪性骨腫瘍を疑いますが、骨肉腫の確定には病理診断が必要です。

各選択肢の検討

a.生検:正しい。画像評価と適切な経路の計画を行い、病理診断を確定します。

b.切開排膿術:化膿性病変と決めつけて切開する状況ではなく、腫瘍を疑って診断を進めます。

c.アスピリン投与:疼痛緩和のみで経過をみることはできません。

d.観血的整復固定術:外傷性骨折の所見ではなく、未診断の骨腫瘍に不用意な固定手術を行うべきではありません。

e.ギプスシーネ固定:安静や保護が必要となることはありますが、診断に必要な生検に代わる対応ではありません。

覚えるポイント

小児・思春期の持続する膝周囲痛では、関節だけでなく大腿骨遠位・脛骨近位の骨病変を確認します。悪性骨腫瘍が疑われたら、生検から専門的に計画します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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