原発性副甲状腺機能亢進症では尿中カルシウム排泄を評価する|第119回医師国家試験A54

第119回医師国家試験 A54(2025年)

正答:d

問題

46歳の女性。人間ドックで血液検査の異常を指摘され、精査のため来院した。自覚症状はない。

身長166 cm、体重59 kg。脈拍72/分、整。血圧126/82 mmHg。

血液生化学所見:アルブミン4.4 g/dL、尿素窒素11 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 104 mEq/L、Ca 11.2 mg/dL、P 3.4 mg/dL、副甲状腺ホルモン102 pg/mL(基準10〜60)。頸部超音波像(別冊No.22)を別に示す。

この疾患で正しいのはどれか。

a.白内障を合併しやすい。

b.全身性の骨軟化症がみられる。

c.異所性ホルモン産生腫瘍である。

d.尿中カルシウム排泄率は増加する。

e.甲状腺癌に関連するカルシウム異常である。

甲状腺背側に境界明瞭な低エコー結節を認める。
別冊No.22:頸部超音波像 / 出典:厚生労働省・第119回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

高カルシウム血症にもかかわらずPTHが高値であり、超音波で副甲状腺腫大を考える結節を認めることから、原発性副甲状腺機能亢進症を考えます。選択肢ではdの尿中カルシウム排泄率増加が正しい所見です。低カルシウム尿性の高カルシウム血症との鑑別にも尿中カルシウム評価が役立ちます。

画像の見方

甲状腺の背側に境界明瞭で楕円形の低エコー結節があり、腫大した副甲状腺を考えます。超音波単独で組織型を確定せず、PTH・カルシウム値と合わせて評価します。

各選択肢の検討

a.白内障を合併しやすい:白内障は慢性低カルシウム血症で問題となる所見で、本疾患の代表的合併症ではありません。

b.全身性の骨軟化症がみられる:骨吸収亢進による骨量減少や線維性骨炎を考えます。骨軟化症は石灰化障害を主体とする別の病態です。

c.異所性ホルモン産生腫瘍である:副甲状腺自体からのPTH過剰分泌であり、異所性産生とは異なります。

d.尿中カルシウム排泄率は増加する:正しい。高カルシウム血症に伴って尿へのカルシウム排泄が増え、尿路結石の原因にもなります。

e.甲状腺癌に関連するカルシウム異常である:本例はPTH高値と副甲状腺病変を考える所見であり、甲状腺癌による異常ではありません。

覚えるポイント

高カルシウム血症ではPTHが抑制されているかを確認します。PTH依存性なら原発性副甲状腺機能亢進症や家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症を鑑別します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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