同じ部位に繰り返し色素沈着を残す皮疹は固定薬疹|第119回医師国家試験A20

第119回医師国家試験 A20(2025年)

正答:a

問題

54歳の男性。瘙痒を伴う体幹と四肢の皮疹とを主訴に来院した。20年前から頭痛に対してNSAIDを頓用している。

2年前から6か月に1回程度、同様の皮疹が同じ部位に生じ、約2週間で自然消褪して、色素沈着が残るようになった。3日前にNSAIDを内服後、いつもと同じ部位に皮疹が出現した。薬剤リンパ球刺激試験でNSAIDは陽性であった。体幹の写真(別冊No.4)を別に示す。

診断はどれか。

a.固定薬疹

b.尋常性乾癬

c.薬剤性過敏症症候群

d.Gibert ばら色粃糠疹

e.Stevens‐Johnson 症候群

胸腹部と背部に散在する境界明瞭な類円形紅斑。
別冊No.4:体幹の写真(読みやすい向きに回転) / 出典:厚生労働省・第119回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

NSAIDの内服後に毎回同じ部位へ皮疹が出現し、自然消褪後に色素沈着を残す経過は固定薬疹に典型的です。体幹の境界明瞭な類円形紅斑も一致し、aが正答です。薬剤リンパ球刺激試験の結果だけでなく、服薬と発疹の時間関係、同一部位への再発という病歴が診断の要点です。

画像の見方

胸腹部と背部に、比較的境界のはっきりした類円形の紅斑が散在しています。画像の形態だけでなく、同一部位への反復と色素沈着を残すという病歴を合わせて固定薬疹と判断します。

各選択肢の検討

a.固定薬疹:正しい。原因薬の再摂取で同一部位に炎症が再燃し、色素沈着を残すことが特徴です。

b.尋常性乾癬:通常は鱗屑を伴う紅斑・局面が慢性にみられます。本問の服薬後の同一部位再発という経過には合いません。

c.薬剤性過敏症症候群:発熱、広範な皮疹、肝障害、血液学的異常などを伴う重症薬疹です。本問の局在が固定した反復性皮疹とは異なります。

d.Gibertばら色粃糠疹:体幹を中心に楕円形の紅斑と鱗屑を認めますが、特定薬の内服で同じ部位に繰り返す経過ではありません。

e.Stevens-Johnson症候群:強い粘膜障害、表皮障害、全身症状を伴う重症薬疹です。本問ではそれらを示す病歴がなく、同一部位への再発と色素沈着が固定薬疹を支持します。

覚えるポイント

固定薬疹では「同じ薬・同じ場所・治癒後の色素沈着」を確認します。原因薬や同成分を含む薬剤の再使用を避けるため、薬剤情報を記録します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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