第119回医師国家試験 A18(2025年)
正答:b
問題
57歳の男性。1か月前からの両側耳閉感を主訴に来院した。右鼻腔ファイバースコープ像(別冊No.3A)と頭頸部造影CT(別冊No.3B)を別に示す。組織生検の結果は扁平上皮癌であった。
この疾患で正しいのはどれか。
a.転移を伴うことは少ない。
b.EB ウイルスが原因となる。
c.欧米では高頻度にみられる。
d.急性中耳炎を併発しやすい。
e.早期癌で見つかることが多い。


正答の理由
画像は上咽頭に生じた腫瘤を示しています。上咽頭癌では耳管の閉塞による滲出性中耳炎から耳閉感を生じることがあります。病理が扁平上皮癌であることと合わせ、上咽頭癌に関連するEBウイルスを挙げたbが正答です。
画像の見方
内視鏡では表面不整で白色調の部分を伴う腫瘤がみられます。CTでは鼻腔後方の上咽頭に軟部組織腫瘤を認め、内腔が狭くなっています。画像と耳閉感の組合せから、上咽頭病変による耳管機能障害を考えます。
各選択肢の検討
a.転移を伴うことは少ない:誤り。頸部リンパ節転移を契機に発見されることも多い腫瘍です。
b.EBウイルスが原因となる:正しい。上咽頭癌の発生にはEBウイルスが関与するものがあります。全例の腫瘍で同一の原因を証明できるという意味ではありません。
c.欧米では高頻度にみられる:誤り。地域差が大きく、中国南部などに多く、欧米ではまれです。
d.急性中耳炎を併発しやすい:誤り。耳管機能の障害で問題になるのは主に滲出性中耳炎です。
e.早期癌で見つかることが多い:誤り。部位のため気付きにくく、頸部リンパ節腫脹などを契機に進行した段階で発見されることがあります。
覚えるポイント
成人の耳閉感や滲出性中耳炎では、耳だけでなく耳管開口部のある上咽頭も評価します。上咽頭癌とEBウイルス、中咽頭癌とHPVの対応を区別します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。