第118回医師国家試験 D54(2024年)
正答:d
問題
56歳の男性。右眼痛を主訴に来院した。1か月前に右の聴神経腫瘍を切除した。術後しばらくして右眼の充血と痛みに気付いた。右眼痛は持続している。開瞼時と閉瞼時の写真(別冊No. 21)を別に示す。
診断はどれか。
a.外上斜視
b.眼瞼下垂
c.眼瞼内反
d.顔面神経麻痺
e.動眼神経麻痺

正答の理由
右聴神経腫瘍の手術後に、右眼が十分に閉じなくなっている。眼輪筋を支配する顔面神経の障害を考える。閉瞼不全で角膜が露出し、乾燥・角膜障害による充血や痛みを生じるため、角膜の評価と保護を要する。
画像の見方
閉瞼時に左眼は閉じるが、右眼(写真左)は眼裂が残り眼球が露出する。右眼球の上転もみられ、右眼の閉瞼不全を示す。
各選択肢の検討
a:眼位の異常だけでは、閉瞼時に右眼が閉じない所見を説明できない。
b:眼瞼下垂は上眼瞼が下がる病態であり、眼を閉じられない症状とは異なる。
c:眼瞼内反は眼瞼縁や睫毛が内向きになる病態で、本例の主所見ではない。
d:正しい。顔面神経麻痺による眼輪筋の筋力低下で閉瞼不全が起こる。
e:動眼神経麻痺では眼瞼下垂、眼球運動障害や瞳孔異常などを評価する。眼輪筋の閉瞼は顔面神経の支配である。
覚えるポイント
「開けられない」と「閉じられない」を区別する。閉瞼不全は角膜障害につながる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。