第118回医師国家試験 B39(2024年)
正答:d
問題
25歳の男性。尿量減少を主訴に来院した。1週間前に家族から顔のむくみを指摘された。3日前から尿量が減少したため受診した。生来健康である。身長177 cm、体重74 kg。脈拍72/分、整。血圧108/64 mmHg。両眼瞼に浮腫を認める。胸腹部に異常を認めない。両下腿に圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白4+、糖(−)、潜血(−)、蛋白定量1,540 mg/dL(基準15〜45)、クレアチニン定量70 mg/dL、Na 15 mEq/L。血液所見:赤血球632万、Hb 19.1 g/dL、Ht 55 %。血液生化学所見:総蛋白3.6 g/dL、アルブミン1.2 g/dL、尿素窒素40 mg/dL、クレアチニン1.9 mg/dL、尿酸7.6 mg/dL、総コレステロール521 mg/dL、Na 131 mEq/L、K 4.7 mEq/L、Cl 100 mEq/L。
次に行うべき検査はどれか。
a.膀胱鏡検査
b.レノグラム
c.腹部造影CT
d.腹部超音波検査
e.腹部エックス線撮影
正答の理由
dです。大量蛋白尿、アルブミン1.2 g/dL、浮腫、高コレステロール血症からネフローゼ症候群を考えます。血液濃縮と乏尿・腎機能低下もあり、有効循環血液量減少による腎障害などを評価します。まず非侵襲的な腹部超音波で腎の形態、水腎症、膀胱や循環血液量の手掛かりを確認します。
各選択肢の検討
a.膀胱鏡:大量蛋白尿・低アルブミン血症と乏尿の初期評価として適しません。
b.レノグラム:腎機能や尿路通過を評価できますが、まず行う簡便な形態評価ではありません。
c.造影CT:腎機能が低下しており、まず造影不要の超音波を選びます。必要性を評価せず直ちに造影する状況ではありません。
d.腹部超音波:腎・尿路の形態と閉塞の有無などを非侵襲的に評価できます。
e.腹部エックス線:腎実質や尿路の初期評価に得られる情報が限られます。
覚えるポイント
浮腫があっても血管内の循環血液量が十分とは限りません。全身と腎・尿路を合わせて評価します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。