拡大・隆起・出血する不均一な色素性病変では悪性黒色腫を疑う|第118回医師国家試験A20

第118回医師国家試験 A20(2024年)

正答:b

問題

36歳の女性。右上腕の皮疹を主訴に来院した。約10年前から右上腕に長径3 mmほどで平坦な皮疹が出現した。約3か月前から次第に拡大し隆起してきた。2週間前から出血するようになった。右上腕に18×16 mmの褐色結節を認める。右腋窩に径1 cmのリンパ節1つを触知する。右上腕の写真(別冊No.4A)とダーモスコピー像(別冊No.4B)を別に示す。

診断はどれか。

a.Bowen病

b.悪性黒色腫

c.色素性母斑

d.日光角化症

e.脂漏性角化症

黒褐色で中央に鱗屑・痂皮を伴う右上腕の色素性結節
別冊No.4A / 出典:厚生労働省・第118回A別冊(原本の該当ページ)
辺縁不整と黒褐色・淡褐色・白色が混在するダーモスコピー像
別冊No.4B / 出典:厚生労働省・第118回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

長年あった小さな色素斑が急に拡大・隆起し、出血するようになっています。画像でも輪郭と色調が不均一であり、悪性黒色腫を疑うためbが正解です。腋窩リンパ節は評価が必要ですが、触知だけで転移とは断定できません。

画像の見方

肉眼像では黒褐色の隆起性病変の中央に白っぽい鱗屑・痂皮を認めます。ダーモスコピー像では輪郭が不整で、黒色・褐色・白色の分布が左右非対称です。臨床経過と合わせて悪性黒色腫を支持しますが、組織亜型や深達度はこの画像だけでは確定できません。

各選択肢の検討

a.Bowen病:表皮内有棘細胞癌で、紅斑・鱗屑を伴う局面が典型です。色素性の例もありますが、本例は経過と画像から悪性黒色腫が最も適切です。

b.悪性黒色腫:正しい。拡大、色調の不均一、輪郭の不整、隆起と出血が疑う所見です。

c.色素性母斑:良性母斑も存在しますが、急速な増大や出血を伴う変化を通常の母斑として扱うことはできません。

d.日光角化症:慢性的な紫外線曝露部のざらついた紅斑や角化性病変が典型です。本例の色素性結節とは異なります。

e.脂漏性角化症:貼り付いたような褐色の角化性病変です。本例の変化と不均一な色素構造を踏まえ、悪性黒色腫を優先します。

覚えるポイント

色素性病変ではABCDE(非対称・辺縁不整・色調不均一・大きさ・変化)を確認します。診断の確定と厚さなどの評価には病理検査が必要で、画像だけで病期を決めません。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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