第117回医師国家試験 F57(2023年)
正答:e
問題
14歳の男子。学校検尿で蛋白尿を指摘され来院した。第1次検査と第2次検査の結果(別冊No.6)を別に示す。受診結果が判明するまでは、部活動顧問教諭からバスケット部の活動を中止するよう指示されている。自覚症状はない。身長165 cm、体重50 kg。血圧110/66 mmHg。眼瞼に浮腫を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
早朝尿所見:蛋白(−) (9 mg/dL)、潜血(−)。
随時尿所見:蛋白3+ (560 mg/dL)、潜血(−)。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。腎超音波検査で異常を認めない。
適切な生活指導はどれか。
a.「入院治療が必要です」
b.「自宅安静が必要です」
c.「体育実技は見学してください」
d.「軽い運動だけ参加してください」
e.「運動制限は必要ありません」

正答の理由
早朝尿では蛋白陰性で、日中の随時尿では陽性となり、血尿、浮腫、高血圧、腎機能低下や超音波異常はありません。体位性(起立性)蛋白尿が最も考えられ、この状態だけを理由に運動を制限しません。早朝尿を適切に採取できていることを確認し、必要な経過観察を行います。
画像の見方
一次では早朝尿の蛋白が1+ですが、二次では早朝尿の蛋白は陰性(7 mg/dL)、新鮮尿では3+(325 mg/dL)です。糖・潜血は陰性で、尿沈渣も大きな異常はありません。
各選択肢の検討
a.入院治療を必要とする腎炎等の所見は示されていません。
b.体位性蛋白尿だけで自宅安静を指示しません。
c.体育を一律に見学させる必要はありません。
d.他の異常がなければ、軽い運動のみに制限する根拠はありません。
e.正しい。体位性蛋白尿では通常、運動制限は不要です。
覚えるポイント
随時尿の蛋白量だけで重症と判断せず、起床直後の早朝尿と、血尿・血圧・腎機能を確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。