第117回医師国家試験 F25(2023年)
正答:a・b
問題
末梢血好中球について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.減少症の原因として薬剤性が最も多い。
b.副腎皮質ステロイドの投与で増加する。
c.成人の末梢血多核白血球の約60 %を占める。
d.発熱性好中球減少症での基準は1,500/μL以下である。
e.急性細菌感染症では桿状核に比し分葉核の割合が増加する。
正答の理由
公式正答はa・bです。薬剤は後天性好中球減少、とくに重い無顆粒球症の重要な原因であり、服薬歴の確認が必要です。ステロイド投与では血管壁側の好中球が循環血中へ移ることなどで末梢血好中球が増加します。原因の頻度は年齢・対象集団で異なり、感染症や骨髄疾患等も評価します。
各選択肢の検討
a.正答。薬剤性をまず検討することが重要です。「最も多い」という頻度の表現を、全年齢・全病型に無条件で広げないようにします。
b.正しい。脱辺縁化などにより好中球が増加します。
c.約60 %という目安は全白血球中の好中球割合です。原文は「多核白血球」とあり、多核白血球の大部分は好中球であるため誤りです。
d.1,500/μLは好中球減少の目安です。発熱性好中球減少症では通常500/μL未満、またはそれ未満への減少が予測される状態を重視します。
e.急性細菌感染では未熟な桿状核好中球が増える左方移動を認めることがあり、分葉核の割合が増すという説明は逆です。
覚えるポイント
ステロイドによる好中球増加と、感染に伴う左方移動を区別する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第117回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:無顆粒球症対応マニュアル(2022年改定)
- Shoenfeldら:プレドニゾン投与後の白血球増加(80例)
- ASCO/IDSA:発熱性好中球減少症の診療指針
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。