紫斑・腹痛・関節痛を来すIgA血管炎|第117回医師国家試験D71

第117回医師国家試験 D71(2023年)

正答:c

問題

8歳の男児。足首の痛みと足背の皮疹とを主訴に両親に連れられて来院した。3日前から足背と下腿に皮疹が出現し、昨日から腹痛と足関節痛を訴えている。体温36.5 °C。脈拍76/分、整。血圧90/54 mmHg。両側の足背に皮疹を認める。眼球結膜に異常を認めない。咽頭発赤なし。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、臍周囲に軽度圧痛を認める。右足の皮膚所見(別冊No.30)を別に示す。

この患児で最も考えられるのはどれか。

a.川崎病

b.血友病

c.IgA血管炎

d.若年性特発性関節炎

e.血栓性微小血管障害症

紫斑・腹痛・関節痛を来すIgA血管炎
別冊No.30 / 出典:厚生労働省・第117回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

下肢の紫斑に腹痛と足関節痛を伴う学童で、IgA血管炎を考えます。皮膚・消化管・関節・腎臓の小血管病変を来すため、尿検査と血圧を含めて腎障害を評価し、その後も追跡します。

画像の見方

足背から足関節付近に赤紫色の小斑点が多数集簇しています。臨床的には紫斑として評価し、分布と腹痛・関節症状を併せて考えます。触知性や圧迫による退色は写真だけでは確認できません。

各選択肢の検討

a.発熱や眼球結膜充血などの主症状に乏しく、この紫斑・腹痛・関節痛の組合せとは合いません。

b.関節内出血は生じ得ますが、下腿の小紫斑と腹痛を来す血管炎の組合せを説明しにくい疾患です。

c.正しい。下肢優位の紫斑、腹痛、関節症状が典型的です。

d.関節炎はみられますが、この紫斑と腹部症状の組合せではIgA血管炎を優先します。

e.血小板減少・溶血性貧血・臓器障害を評価する病態で、この臨床像の第一候補ではありません。

覚えるポイント

紫斑・腹痛・関節痛を見たらIgA血管炎を考え、尿異常が後から出る可能性も追う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第117回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました