精索静脈瘤では造精機能を評価する|第117回医師国家試験D55

第117回医師国家試験 D55(2023年)

正答:b

問題

20歳の男性。左陰囊の腫瘤を主訴に来院した。1年前から陰囊上部の腫瘤に気付いていた。夕方になると時々左陰囊に鈍痛を自覚することがあった。立位での左陰囊上部の写真(別冊No.20A)を別に示す。破線で囲まれた部位に腫瘤を触知する。腫瘤は柔らかく、仰臥位で縮小し立位で腹圧を加えると腫大する。臥位での破線部の安静時超音波像(別冊No.20B)と腹圧時カラードプラ超音波像(別冊No.20 C)を別に示す。

この患者に生じる可能性が高いのはどれか。

a.射精障害

b.造精機能障害

c.蓄尿障害

d.排尿障害

e.勃起障害

No.20A:左陰囊上部
No.20A:左陰囊上部 / 出典:厚生労働省・第117回D別冊(原本の該当ページ)
No.20B:安静時超音波
No.20B:安静時超音波 / 出典:厚生労働省・第117回D別冊(原本の該当ページ)
No.20C:腹圧時カラードプラ
No.20C:腹圧時カラードプラ / 出典:厚生労働省・第117回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

左陰囊上部の柔らかい腫瘤が立位・腹圧で増大し、仰臥位で縮小すること、超音波で拡張した静脈と血流がみられることから精索静脈瘤を考えます。精巣の温度上昇や静脈逆流等が造精機能に悪影響を及ぼす場合があり、bを選びます。すべての患者が不妊になるわけではありません。

画像の見方

左陰囊上部の破線内に膨らみがあり、超音波では複数の管状・無エコー構造を認めます。腹圧時のカラードプラで拡張した血管内に血流信号が示され、体位・腹圧による変化と合わせて精索静脈瘤を考えます。

各選択肢の検討

a.精液の輸送・排出の障害が本病態の代表的な合併症ではありません。

b.正しい。精液所見や精巣容積等を含めて評価します。

c.膀胱の蓄尿機能に直接影響する病変ではありません。

d.尿路閉塞等を示す所見はありません。

e.精索静脈瘤で最も直接問われる機能障害は造精機能です。

覚えるポイント

立位・腹圧で増える左陰囊の静脈瘤と、造精機能障害を対応させる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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