第117回医師国家試験 C36(2023年)
正答:a
問題
35歳の男性。仕事中に、作業で使用していた液体の化学物質を全身に浴び、事故から2時間後に来院した。2年前に入職し、配置転換で2週間前から現在の作業を始めたばかりだった。作業内容や使用していた化学物質の詳細については詳しくない。化学物質を浴びた後、すぐに緊急用のシャワーを浴び洗眼したという。意識は清明。身長171 cm、体重65 kg。体温36.8 ℃。脈拍72/分、整。血圧136/82 mmHg。呼吸数17/分。眼瞼結膜、眼球結膜に充血を認める。顔面の皮膚に発赤を認める。
この患者の治療方針を決定するため、患者の勤務先に照会するものとして有用でないのはどれか。なお、患者の同意は得ているものとする。
a.直近のストレスチェックの結果
b.直近の定期健康診断の結果
c.直近の特殊健康診断の結果
d.安全データシート
e.曝露時の作業内容
正答の理由
急性の化学物質曝露では、物質の種類・有害性・曝露経路や量、応急措置、基礎の臓器機能を把握します。ストレスチェックの結果は心理的ストレスの評価であり、今回の急性曝露への治療方針を直接決める情報としては最も有用性が低いものです。
各選択肢の検討
a.直近のストレスチェックの結果:正答。急性化学損傷の物質同定や重症度判断に直接結び付きません。
b.直近の定期健康診断の結果:曝露前の健康状態や臓器機能を知る参考になります。
c.直近の特殊健康診断の結果:取り扱う有害因子や以前の曝露影響を把握する参考になります。
d.安全データシート:物質名、有害性、曝露時の応急措置等が記載され、重要です。
e.曝露時の作業内容:物質、濃度、量、曝露経路、保護具等の推定に役立ちます。
覚えるポイント
SDSと作業状況から原因物質と必要な初期対応を確認します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。