第117回医師国家試験 B23(2023年)
正答:b
問題
糸球体濾過量〈GFR〉について正しいのはどれか。
a.GFRの軽度低下で血清クレアチニン値は上昇する。
b.イヌリンクリアランスは正確なGFR評価に用いられる。
c.健常者において加齢によるGFR低下は80歳まで起こらない。
d.筋肉量が少ない場合はeGFRが実測GFRより低くなることが多い。
e.成人のeGFRは血清クレアチニン値、身長および年齢から計算される。
正答の理由
イヌリンは糸球体で濾過され、尿細管でほぼ再吸収・分泌されないため、そのクリアランスはGFRの正確な評価に用いられ、bが正しい選択肢です。クレアチニン由来eGFRは筋肉量の影響を受けます。
各選択肢の検討
a.GFRの軽度低下で血清クレアチニン値は上昇する。:血清クレアチニンは軽度低下を捉えにくく、正常範囲でもGFRが低下していることがあります。
b.イヌリンクリアランスは正確なGFR評価に用いられる。:正しい。実測GFRの標準的な評価法です。
c.健常者において加齢によるGFR低下は80歳まで起こらない。:加齢によるGFR低下は80歳以前から起こり得ます。
d.筋肉量が少ない場合はeGFRが実測GFRより低くなることが多い。:筋肉量が少ないと血清クレアチニンが低くなり、eGFRは実測GFRを過大評価しやすくなります。
e.成人のeGFRは血清クレアチニン値、身長および年齢から計算される。:日本人成人の標準的なCr由来推算式は血清Cr・年齢・性別を用い、身長は用いません。
覚えるポイント
筋肉量の少ない患者ではCr由来eGFRの過大評価に注意する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。