肺動脈での酸素飽和度上昇はPDAを示唆|第117回医師国家試験A72

第117回医師国家試験 A72(2023年)

正答:a

問題

5歳の男児。今後の治療方針を決定するために心臓カテーテル検査を受けることになった。1歳6か月健診で心雑音を指摘され、心エコー検査で心疾患と診断されたが、これまでは心疾患による症状を認めず、経過を観察されていた。心臓カテーテル検査の心腔内酸素飽和度に関する結果を示す。

この児の心疾患として最も考えられるのはどれか。

部位 上大静脈 下大静脈 右心房 右心室 右肺動脈 左肺動脈 左心室 大動脈
酸素飽和度 82.8 % 86.8 % 84.5 % 83.9 % 90.2 % 92.6 % 98.9 % 98.8 %

a.動脈管開存症

b.Fallot四徴症

c.心房中隔欠損症

d.心室中隔欠損症

e.房室中隔欠損症〈心内膜床欠損症〉

正答の理由

右心房84.5 %・右心室83.9 %に対して、肺動脈では90.2〜92.6 %へ上昇しています。酸素化された大動脈血が肺動脈へ流入する動脈管開存症を考えます。左心室・大動脈の飽和度はほぼ正常で、左から右へのシャントに合致します。

各選択肢の検討

a.正しい。大動脈から肺動脈への流入で、肺動脈レベルのstep-upを来します。

b.右室流出路狭窄と右左シャントを伴うことが多く、肺動脈での酸素飽和度上昇とは合いません。

c.左房から右房へのシャントで、右房レベルでのstep-upが基本です。

d.左室から右室へのシャントで、右室レベルでstep-upします。

e.心房や心室レベルの短絡を伴う病態で、本例の肺動脈のみのstep-upではPDAを優先します。

覚えるポイント

カテーテル酸素飽和度は、どの部位で上昇したかを追って短絡位置を推定します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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