肺癌放射線治療後の放射線肺臓炎|第116回医師国家試験F47

第116回医師国家試験 F47(2022年)

正答:a

問題

79歳の男性。肺がん検診で胸部異常陰影を指摘され来院した。昨年の検診では異常は指摘されず、自覚症状はない。精査の結果、臨床病期IA期の左下葉肺腺癌と診断された。最大腫瘍径は2.0 cmであった。本人の希望で放射線治療を行うこととした。胸部CT(別冊No.10)を別に示す。

治療に伴う合併症として考えられるのはどれか。

a.肺炎

b.心肥大

c.乳び胸

d.上肢浮腫

e.反回神経麻痺

左下葉の背側胸膜近傍に充実性結節を認めます。治療前の腫瘍を示す画像で、放射線肺臓炎が既に写っている画像ではありません。
別冊No.10:胸部CT / 出典:厚生労働省・第116回F別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

肺への放射線照射は正常肺の炎症を引き起こし、治療後に咳・発熱・息切れを呈する放射線肺臓炎を起こし得ます。感染性肺炎とは異なる非感染性の肺障害が、本問の「肺炎」に対応します。

画像の見方

左下葉の背側胸膜近傍に充実性結節を認めます。治療前の腫瘍を示す画像で、放射線肺臓炎が既に写っている画像ではありません。

各選択肢の検討

a.正しい。放射線肺臓炎が代表的な合併症です。

b.照射による心障害はあり得ますが、心肥大は本例での代表的合併症ではありません。

c.胸管損傷や閉塞に伴い、肺の放射線治療の代表的合併症ではありません。

d.上肢のリンパ流・静脈還流障害などを考える所見です。

e.腫瘍浸潤や手術損傷などでみられますが、本例の治療で最も代表的なのは肺臓炎です。

覚えるポイント

肺照射後の呼吸器症状では放射線肺臓炎を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第116回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました