第116回医師国家試験 F38(2022年)
正答:c
問題
25歳の男性。耳介からの出血が止まらないため救急車で搬送された。喧嘩の際に避けた刃物が右耳をかすめて出血し、圧迫しても止血しないという。創部の写真(別冊No.5)を別に示す。
創の縫合前に用いることができる消毒薬はどれか。
a.過酢酸
b.エタノール
c.塩化ベンザルコニウム
d.グルタールアルデヒド
e.次亜塩素酸ナトリウム

正答の理由
この中で皮膚・粘膜の創傷部位に適応を持つのは塩化ベンザルコニウムです。添付文書では創傷部に0.01〜0.025%溶液を用います。器具の消毒・滅菌に使う薬剤や健常皮膚向けの薬剤を、開放創へ同じ濃度で用いてはいけません。創の洗浄、止血、深部損傷の評価も必要で、消毒薬の使用だけで十分とはなりません。
画像の見方
右耳介上部に開いた切創と出血を認めます。健常皮膚の消毒とは異なり、創傷面に使用できる薬剤と濃度を選ぶ必要があります。耳介の形態や軟骨・外耳道等への損傷も確認して処置します。
各選択肢の検討
a.主に医療器具の消毒・滅菌に使用する薬剤で、生体の創面に用いません。
b.健常皮膚には使用しますが、刺激が強く、開放創への使用は適しません。
c.正しい。製剤の適応と希釈濃度を守り、創傷部用の濃度で用います。長期間・広範囲への使用等には注意します。
d.器具等に用いる高水準消毒薬で、生体の創面には用いません。
e.主に環境や物品等に用い、この開放創に一般的な消毒液として直接使う選択ではありません。
覚えるポイント
消毒薬は対象と濃度で使い分ける。創傷部への適応は添付文書で確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。