第116回医師国家試験 E39(2022年)
正答:e
問題
21歳の男性。左頰部の痛みを主訴に来院した。1週間前から咽頭痛、鼻汁があり3日で改善した。昨日から左頰部の痛みと圧迫感、浮腫が出現し、増悪してきたため来院した。既往歴に特記すべきことはない。体温36.5 °C。脈拍80/分、整。血圧106/76 mmHg。呼吸数14/分。鼻鏡検査で左中鼻道に膿性鼻汁を認める。顔面の写真(別冊No. 4)を別に示す。
この時点でみられる可能性が最も低いのはどれか。
a.歯痛
b.鼻閉
c.上顎痛
d.嗅覚低下
e.視力低下

正答の理由
上気道症状が一旦軽快した後の頰部痛・圧迫感と、中鼻道の膿性鼻汁から急性副鼻腔炎、特に上顎洞炎を考えます。歯痛、鼻閉、上顎痛、嗅覚低下は起こり得ますが、視力低下は通常の限局した病態では最も考えにくい所見です。実際に出現した場合は眼窩内合併症等を疑い緊急評価します。
画像の見方
左頰部に腫脹を認めます。眼部は原本で非公開のため、写真から眼球運動や視力を判定することはできません。膿性鼻汁と頰部痛という本文所見を合わせて判断します。
各選択肢の検討
a.上顎洞に隣接する上顎歯の痛みとして感じることがあります。
b.粘膜の腫脹や鼻汁で起こり得ます。
c.上顎洞の炎症に対応する痛みです。
d.鼻閉や粘膜炎症により起こり得ます。
e.正答。通常の症状とは異なり、認める場合は眼窩などへの波及を警戒します。
覚えるポイント
副鼻腔炎で視力低下・眼球運動障害があれば合併症の警告。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。