硬い乳房腫瘤と悪性を疑う石灰化|第116回医師国家試験D36

第116回医師国家試験 D36(2022年)

正答:a

問題

62歳の女性。右乳房の違和感を主訴に来院した。触診で径約4 cmの腫瘤を触知する。腫瘤は表面不整で弾性硬、可動性は不良で圧痛を認めない。乳頭からの分泌物を認めない。マンモグラフィー(別冊No.11)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.乳癌

b.乳腺炎

c.葉状腫瘍

d.乳腺脂肪壊死

e.乳腺線維腺腫

第116回D36 別冊No.11:マンモグラフィー(内外斜位方向)
別冊No.11:マンモグラフィー(内外斜位方向) / 出典:厚生労働省・第116回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

高齢者の不整で硬く動きにくい無痛性腫瘤に、マンモグラフィーで局所に集まる不均一な石灰化を認め、乳癌を最も疑います。画像で悪性を疑い、超音波等で病変を評価して針生検による組織診断につなげます。画像だけで組織型や浸潤の有無までは確定しません。

画像の見方

一側乳房の下方に高濃度の不整な領域があり、形や大きさが不均一な多数の石灰化が集まっています。触診の硬く可動性不良な腫瘤と合わせ悪性を疑います。

各選択肢の検討

a.正しい。触診所見と不均一に集まる石灰化が悪性を疑わせます。

b.通常は発赤・熱感・圧痛等を伴い、本例の無痛性硬結と画像とは合いにくい所見です。

c.大きな腫瘤を来しますが、一般には境界の比較的明瞭な腫瘤で、本例の集簇する石灰化を主所見としません。

d.外傷・手術歴や油囊胞等が参考になります。良性でも石灰化し得ますが、本例は乳癌を疑って組織評価します。

e.比較的若年に多い可動性良好な境界明瞭腫瘤が典型で、本例とは異なります。

覚えるポイント

不整な硬い乳房腫瘤と疑わしい集簇石灰化は、組織診断で乳癌を評価する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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