左縦隔腫瘤と反回神経障害|第116回医師国家試験D16

第116回医師国家試験 D16(2022年)

正答:a

問題

72歳の男性。肺がん検診で胸部異常陰影を指摘され来院した。胸部エックス線写真(別冊No.1A)と胸部造影CT(別冊No.1B)とを別に示す。

この患者で認められる可能性が高い症状はどれか。

a.嗄声

b.不整脈

c.呼吸困難

d.心窩部痛

e.頸静脈怒張

第116回D16 別冊No.1A:胸部エックス線写真
別冊No.1A:胸部エックス線写真 / 出典:厚生労働省・第116回D別冊(原本の該当ページ)
第116回D16 別冊No.1B:胸部造影CT
別冊No.1B:胸部造影CT / 出典:厚生労働省・第116回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

左肺門〜大動脈弓下の縦隔に大きな腫瘤があり、この部位を走る左反回神経の障害による嗄声を考えます。左反回神経は大動脈弓を回って喉頭へ戻るため、左肺門・縦隔病変の影響を受けやすい神経です。画像だけで組織型や神経浸潤そのものを確定することはできません。

画像の見方

胸部エックス線写真では左上縦隔から肺門にかけて腫瘤影が突出しています。造影CTでは大動脈弓下の左側縦隔に大きな軟部組織腫瘤があり、左反回神経の走行部位への影響を考えます。

各選択肢の検討

a.正しい。左反回神経麻痺による声帯運動障害で声がかすれます。

b.心筋や刺激伝導系の障害を示す所見は提示されていません。

c.気道閉塞や広範な肺障害などで起こり得ますが、本画像の部位から最も結び付くのは嗄声です。

d.心窩部の病変を直接示す画像ではありません。

e.上大静脈閉塞などでみられますが、提示画像では左縦隔腫瘤と反回神経の位置関係を考えます。

覚えるポイント

左反回神経は大動脈弓を回る。左肺門・縦隔病変と嗄声を結び付ける。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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