第116回医師国家試験 C41(2022年)
正答:c
問題
84歳の女性。頭痛を主訴に来院した。今朝自宅内の段差で転倒し頭部を打撲し、頭痛を生じたため息子に付き添われて受診した。最近は歩行が小刻みになり自宅内でも転倒が多いという。息子とは同居しているが日中は仕事で不在である。自宅近くの診療所を不定期に受診しているが詳細は不明で、薬が自宅に多く残されているという。身長152 cm、体重46 kg。頭部以外に疼痛の訴えはない。歩行は小刻みで、両側上肢に筋強剛を認める。振戦はない。血液所見:赤血球421万、Hb 12.0 g/dL、Ht 39 %、白血球7,600、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白6.0 g/dL、アルブミン3.4 g/dL、尿素窒素25 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、血糖150 mg/dL、HbA1c 6.9 %(基準4.6〜6.2)、Na 143 mEq/L、K 4.3 mEq/L、Cl 108 mEq/L。頭部単純CTで頭蓋内出血を認めない。
この患者への対応で適切でないのはどれか。
a.認知機能の確認を行う。
b.内服薬の内容を確認する。
c.摂取エネルギー量の制限を指導する。
d.在宅支援のために訪問看護の介入を依頼する。
e.頭部外傷後の遅発性合併症について説明を行う。
正答の理由
BMIは46÷1.52²≒19.9で、低アルブミン血症と転倒を認めます。HbA1c6.9%だけを根拠に一律の摂取エネルギー制限を指導すると、低栄養や筋力低下を悪化させ得るため不適切です。認知機能、服薬実態、パーキンソニズム、生活支援、栄養を包括的に評価します。頭部CTが正常でも遅発性合併症の説明は必要です。
各選択肢の検討
a.服薬管理や転倒リスク、支援の必要性を判断するため評価します。
b.薬剤性パーキンソニズム、眠剤等の影響、残薬・服薬状況を確認します。
c.正答(不適切)。栄養状態と生活機能を評価せずに制限しません。
d.服薬や生活状況を把握し、必要な支援を調整する手段です。
e.頭痛増悪、嘔吐、意識変化等の受診目安を説明します。
覚えるポイント
高齢者の糖尿病管理は低栄養・転倒・生活機能にも配慮する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。