幻聴と妄想的な意味付けの区別|第116回医師国家試験B3

第116回医師国家試験 B3(2022年)

正答:e

問題

患者の言葉のうち幻聴ではないと考えられるのはどれか。

a.「部屋に誰もいないのに『もっと勉強しろ』と男が話しかけてきます」

b.「自分でもおかしいと思うが、近くに線路はないのに電車の走る音がします」

c.「家族は誰も聞こえないというが、夜になると車のエンジンをかける音が聞こえます」

d.「カチカチという実際の機械の音に重なって『馬鹿、馬鹿』という女性の声が聞こえます」

e.「駅の向かい側のホームに立っている友人の仕草から自分の悪口をいっているのがわかります」

正答の理由

eは友人の仕草を見て「自分の悪口をいっている」と意味付けている訴えで、声や音を聞く知覚体験を述べていません。幻聴は外部の音源では説明できない音・声の知覚です。実際の音と同時に幻聴が生じることもあります。

各選択肢の検討

a.誰もいない場所で男性の声を聞く訴えは幻聴に対応します。

b.外部音源がないのに電車の音を聞く体験も、言語以外の幻聴に含まれます。

c.他の人には聞こえないエンジン音を聞く訴えです。実際の音源の有無などを確かめます。

d.機械音とは別の女性の声が重なって聞こえる訴えであり、機能性幻聴として説明できます。機械音自体を声と聞き違える錯聴とは区別します。

e.正解。仕草への妄想的な意味付けが中心で、幻聴を述べた内容ではありません。

覚えるポイント

音を聞く知覚体験と、出来事への意味付けを区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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