第116回医師国家試験 A66(2022年)
正答:a・e
問題
34歳の女性。前胸部痛を主訴に来院した。3か月前から前胸部痛が出現し徐々に増強してきた。体温36.8 ℃。血圧118/64 mmHg。SpO2 98 %(room air)。心音と呼吸音に異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 25A)と胸部造影 CT (別冊No. 25B)とを別に示す。
考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
a.胸腺腫
b.神経鞘腫
c.心膜囊胞
d.胸膜中皮腫
e.悪性リンパ腫

正答の理由
造影CTで胸骨後方、大血管の前方に充実性腫瘤があり、前縦隔腫瘍と判断します。選択肢では胸腺腫と悪性リンパ腫が主要な鑑別です。両者をこの画像だけで確定することはできず、病歴、血液検査、必要に応じた組織診断等で評価します。
画像の見方
Aでは上縦隔の輪郭に膨隆があり、Bでは胸骨後方・上行大動脈や肺動脈の前方に軟部組織濃度の腫瘤を認めます。水濃度の単純囊胞ではなく、胸腺腫やリンパ腫などを鑑別する前縦隔の充実性腫瘤です。
各選択肢の検討
a.正しい。成人の前縦隔の代表的充実性腫瘍です。
b.神経鞘腫は典型的には傍脊椎など後縦隔に発生します。
c.通常は心横隔膜角付近の液体濃度病変で、本例の充実性前縦隔腫瘤とは異なります。
d.典型的には胸膜に沿う肥厚・腫瘤や胸水を認め、提示局在とは異なります。
e.正しい。前縦隔の充実性腫瘤を形成します。
覚えるポイント
縦隔腫瘤はまず局在と充実性・囊胞性を判断して鑑別する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。