第116回医師国家試験 A60(2022年)
正答:a
問題
80歳の男性。左側頭部から左頰部の皮疹を主訴に来院した。3か月前に左側頭部に紫紅色斑が出現した。次第に拡大、隆起し、出血するようになった。10年前から心房細動で抗凝固薬を服用中である。皮疹の契機について思い当たることはないという。左側頭部に皮疹を認める。鱗屑は認めない。左頸部リンパ節を触知する。左側頭部の写真(別冊No.21)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a.血管肉腫
b.有棘細胞癌
c.老人性紫斑
d.血管拡張性肉芽腫
e.抗凝固薬の内服による紫斑

正答の理由
高齢者の頭部・顔面に、紫紅色斑から始まり拡大・隆起して出血する皮疹を認めます。画像も広い浸潤性の紫紅色局面を示し、血管肉腫が最も考えられます。抗凝固薬服用だけで皮疹を説明せず、皮膚生検などで確定します。
画像の見方
左側頭部から頰部にかけて広がる紫紅色の浸潤性局面があり、一部は隆起し、黒色痂皮・出血を伴っています。進行性のあざ様病変として血管肉腫を疑います。
各選択肢の検討
a.正しい。高齢者の頭皮・顔面に好発する血管内皮由来の悪性腫瘍です。
b.角化や潰瘍を伴う腫瘤などが典型で、本例の広がる紫紅色局面ではaを優先します。
c.加齢性の皮膚脆弱性に伴う紫斑で、進行する隆起性病変とリンパ節腫大を説明しにくい所見です。
d.出血しやすい小さな赤い結節として生じますが、本例の広範で浸潤性に拡大する皮疹とは合いません。
e.紫斑を起こしやすくしますが、局所で持続的に拡大・隆起する病変を薬剤性と即断しません。
覚えるポイント
高齢者の頭皮・顔面の拡大するあざ様病変では血管肉腫を疑う。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。